Faith to Face  ~オレキケ社労士の日々ウダウダ!!~

社会保険労務士として、日々奮闘中のT&Dが、日々起こる話をウダウダ語ります。

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「働き方改革」と非正規問題とその本質

昨日、第1回 働き方改革実現会議の内容をお伝えしたばかりですが、その目的の一つとして非正規社員の格差を是正する、ということが挙げられています。


これについて、同一労働・同一賃金の原則が求められているわけですが、では具体的にこれを「どのように推し進めていくのか?」ということになると、まだまだ多くの人が的確な答えを持ち合わせていないように感じられます。


「非正規と正規の格差を解消する上において、正社員に非正規を近づけるのか、非正規に正社員を近づけるのか?」

「非正規に近づけるなんてことが出来るのか?正社員に近づけるのであれば、その原資をどうするのか」


等々の声も聞こえる中、労働法で有名な安西法律事務所の倉重 公太朗 :弁護士が核心を突かれた本質的な見解を述べられていますので、ご紹介されて頂きます。



「正社員の特権が「非正規貧困化」の根本原因だ(東洋経済オンラインより抜粋)」


企業の人件費は無限に存在するわけではないということです。極めて当たり前の視点ですが、「賃金原資には限りがある」という大前提を忘れた議論が、あまりにも多く見られます。

そもそも企業が景気変動に応じて、人件費を調整すること自体は世界共通の普遍的事象であり、それ自体が「悪」なら、もはや資本主義とはいえません。問題は、その人件費調整を誰が引き受けるのかということなのです。

現状は、正社員に対する解雇権濫用法理の保護が強すぎるため、非正規労働者がこれを一手に引き受けているといういびつな構造になっています。

(中略)

こうした賃金原資の限界を前提とした議論に対してよくいわれるのが、「企業は内部留保を取り崩せば非正規雇用対策ができる」といった反論です。

「企業の業績は好調なのに、なかなか待遇が改善されない。

それは企業が利益(内部留保)をため込んでいるからだ」という主張は、正直に申し上げて、まったくもっておかしな議論です。

そもそも、日本の名目GDPはおよそ500兆円、労働分配率がおよそ70%であるとして、賃金原資の総額はざっくりいって500×70%=350兆円です。一方で、日本企業の内部留保は361.5兆円ほどですので、ほぼ1年分の賃金原資相当額しかないのが現状です。

これを「吐き出した」場合、翌年以降はどうするのでしょうか。

もちろん、「賃金を上げるべき」というのは政権も要請しているところであり、これが実現することは好ましいことです。

しかし、「内部留保があるから大丈夫」という短期的発想ではなく、現実を踏まえた議論をする必要があります。

(中略)

そもそも非正規雇用「だけ」の問題としてとらえるのが間違っているのです。では、本当の意味での非正規労働者対策とは何か?

それは、雇用全体の問題、つまり「正社員」の問題として捉えることです。非正規雇用は正社員の影、表裏一体の存在なのです。

強すぎる正社員の保護と比べて、あまりに弱い非正規雇用者の保護。このアンバランスさが問題の本質です。

一度正社員を雇うとなかなかクビにできない。だから非正規雇用が活用されるのです。

非正規

「格差の解消」等々のお話は、聞えの響きはよく、理想論は語るには楽しいですが、実現には茨の道を渡る必要があることが少なくありません。


これまで非正規格差の是正の問題は重要視されていましたが、この問題については、で「ではそれを誰が推し進めるのか?」という話になると、正社員の方が言いにくい部分も多々出て来る可能性があります。


決して、正社員の人が解雇されやすいような環境ができる事を望むことはありませんが、今回の「働き方改革」が絵に描いた餅になるようなことがないように、綺麗ごとだけでなく、現実的な問題をどのように乗り越えていくのか?そのような観点も含めて議論が進めばと願うばかりです。

第1回 働き方改革実現会議

平成28年9月27日、安倍総理が、総理大臣官邸で第1回「働き方改革実現会議」を開催しました。


参加している有識者の方々は次の通りです(敬称略)。


生稲晃子 (女優)
岩村正彦 (東京大学大学院法学政治学研究科教授)
大村功作 (全国中小企業団体中央会会長)
岡崎瑞穂 (株式会社オーザック専務取締役)
金丸恭文 (フューチャー株式会社代表取締役会長兼社長グループ CEO)
神津里季生 (日本労働組合総連合会会長)
榊原定征 (日本経済団体連合会会長)
白河桃子 (相模女子大学客員教授、少子化ジャーナリスト)
新屋和代 (株式会社りそなホールディングス執行役 人材サービス部長)
高橋 進  (株式会社日本総合研究所理事長)
武田洋子 (株式会社三菱総合研究所政策・経済研究センター副センター長 チーフエコノミスト)
田中弘樹 (株式会社イトーヨーカ堂 人事室 総括マネジャー)
樋口美雄 (慶應義塾大学商学部教授)
水町勇一郎 (東京大学社会科学研究所教授)
三村明夫 (日本商工会議所会頭)


個人的には生稲晃子さんがなぜ参加されているのだろう?なんて考えますが、きっと有名な方に働き方改革を広めてもらう広報担当のような役割があるのでしょうね。


働き方改革


この会議で、総理は、次のように述べられています。


「いよいよ、働き方改革実現会議がスタートしました。
 先週、ニューヨークにおきまして金融界、そしてまたビジネス関係者の皆様の前で講演をして、また対話をする機会があったわけでありますが、日本が『働き方改革』を進めていくということに対して、大変な関心が集まると同時に、果たしてできるのか、『働き方改革』は、まさに日本の企業文化そのものであり、日本人のライフスタイル、日本の働くということに対する考え方に根付いたものと言ってもいいのだろうと思います。


様々なことが、例えば長時間労働についても、長時間労働の上に成り立って、様々な商慣行があり、労働慣行もできているものを果たして変えていくことができるのかという雰囲気を感じ取ったわけでありますが、私はその際、『腕まくりをして、この課題に取り組んでいく』と申し上げたわけでございまして、『働き方改革』は、第三の矢、構造改革の柱となる改革であります。


大切なことは、スピードと実行であります。もはや、先送りは許されないわけでありまして、多くの人が『働き方改革』を進めていくということは、人々のワーク・ライフ・バランスにとっても、あるいは生産性にとってもいいと思いながらできなかったわけでありますが、いまこそ我々は必ずやり遂げるという強い意志を持って取り組んでいかなければならない、こう決意をしております。


働き方改革に必要な法律、政策が何か、そして今年度内に具体的な実行計画を取りまとめた上で、スピード感をもって国会に関連法案を提出をする考えであります。


 『働き方改革』のポイントは、働く方に、より良い将来の展望を持っていただくことであります。


同一労働同一賃金を実現し、正規と非正規の労働者の格差を埋め、若者が将来に明るい希望が持てるようにしなければなりません。


中間層が厚みを増し、より多く消費をし、より多くの方が家族を持てるようにしなければなりません。


そうなれば、日本の出生率は改善していくわけであります。


長時間労働を是正すれば、ワーク・ライフ・バランスが改善し、女性、高齢者も、仕事に就きやすくなります。


経営者は、どのように働いてもらうかに関心を高め、労働生産性が向上していきます。働き方改革こそが、労働生産性を改善するための最良の手段であると思います。


働き方改革は、社会問題であるだけでなく、経済問題であります


我々は労働参加率を上昇させなければなりません。そして賃金を上昇させなければなりません。


働き方改革のテーマは、同一労働同一賃金と36(サブロク)協定の在り方だけではありません。


高い問題意識で取り組む必要があります。


ロボットからビッグデータ、AIまで、デジタル技術の活用が進む中で、働き方も間違いなく変わってきます。


本日の有識者の皆様の御意見も踏まえて、本会議では、当面、次のようなテーマを取り上げていきたいと考えます。


 1番目に、同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善。
 2番目に、賃金引き上げと労働生産性の向上。
 3番目に、時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正。
 4番目に、雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題。
 5番目に、テレワーク、副業・兼業といった柔軟な働き方。
 6番目に、働き方に中立的な社会保障制度・税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備。
 7番目に、高齢者の就業促進。
 8番目に、病気の治療、そして子育て・介護と仕事の両立。
 9番目に、外国人材の受入れの問題。



有識者の議員の皆様には、豊富な経験とアイデアに基づいた、積極的な御提言をいただけることを期待をしております。どうぞ皆様、よろしくお願いを申し上げます。」


本当にできるのだろうか?課題山積ではないか?等々いろいろ言われる「働き方改革」ですが、「できない」理由を挙げることは簡単ですが、「どうすればできるのか?」について前向きに考えていくことが何事も大切です。


この会議の流れを見守りながら、今後も、随時流れをお伝えしていく良いです。


国民一人一人が一緒に考えていきたいものですね。


働き方改革実現会議の開催について

働き方改革実現会議運営要領案

働き方改革に関する総理発言・閣議決定

田中 弘樹議員 提出資料

白河 桃子議員 提出資料

白河 桃子議員 提出資料②

神津里季生議員

岡崎 瑞穂議員 提出資料

三村 明夫議員 提出資料

樋口 美雄議員 提出資料

新屋 和代議員 提出資料

水町勇一郎議員 提出資料

育児・介護休業法改正に関するQ&A

いよいよ来年1月から始まる育児・介護休業法の改正。


少しづつ具体的な内容が出されてきており、先日も、あらましなどについて紹介をしたばかりですが、今回Q&Aが発表されています。


その内容は次の通りです。


【介護休業】

1-1 介護休業の通算取得日数を1年まで、分割5回までとすることは可能か。

(答)
通算取得日数も分割回数も法を上回っているので可能である。
なお、例えば「介護休業期間通算 93 日、分割5回まで」も「介護休業期間通算 120 日、分割3回まで」もいずれも、「介護休業 93 日、分割3回」という法の基準を上回っているので可能である。


1-2 介護休業について、1回の取得期間を2週間以上とすることは可能か。

(答)
介護休業の 1 回の取得期間については育児・介護休業法上規定はなく、通算 93 日までの労働者が申し出た期間取得できることになっているため、1回の最低取得期間を設けることは認められない。
ただし、法を上回る部分について、例えば、
  ① 93 日を超える部分については1回の取得期間を2週間以上とする
  ② 分割4回目からは、1回の取得期間を2週間以上とする
とすることは可能である。


1-3 介護休業の取得について、介護休業開始日から1年以内で上限3回までという限定をつけることは可能か。
     ※1 年以内であれば 365 日取得でも構わない場合。

(答)
介護休業の分割取得は、通算 93 日について、具体的な期間の上限等なく3回までの分割取得を認める制度であるため、通算 93 日とならない場合、介護休業開始日から1年を超えたとしても2回目以降の取得は可能であることから、介護休業開始日から1年以内で上限3回までと限定をつけることは認められない。


1-4 改正法施行前に、通算 93 日の介護休業を取得しているが、取得回数は3回に満たない場合、改正法施行後、同一の対象家族について、新たに介護休業を取得することはできるか。

(答)
通算 93 日という法定の上限日数を既に取得しているので、改正法施行後、同一の対象家族について新たに介護休業を取得することはできない。


1-5 改正法施行前に、3回の介護休業を取得しているが、取得日数は通算93 日に満たない場合、改正法施行後、同一の対象家族について、新たに介護休業を取得することはできるか。

(答)
3回という法定の上限回数を既に取得しているので、改正法施行後、同一の対象家族について新たに介護休業を取得することはできない。


1-6 改正法施行前に、介護休業1回(30 日)と介護勤務時間短縮等の措置63 日の合わせて 93 日制度を利用している場合、改正法施行後、介護休業を新たに取得できるか。

(答)
改正法施行後、同一の対象家族について通算 63 日まで、残り2回を上限として分割して介護休業を取得することができる。


1-7 要介護状態の判断基準について法定より緩やかな基準をもとに介護休業を取得した場合、通算 93 日の取得日数や、上限3回の取得回数のカウントに含めてよいのか。

(答)
法を上回る運用の下で取得した介護休業は、取得日数や、取得回数のカウントに含めて差し支えないが、労働者への説明・周知を十分に行うことが求められる。


【選択的措置義務】

2-1 選択的措置義務として介護のための時短措置を設ける場合は、利用開始から3年の間で2回以上できるようにしなければならないのであれば、就業規則で「3年の間で2回までの範囲で利用できる」としても法を満たすということか。

(答)
法律上、事業主は選択的措置義務を3年の間で2回以上利用できるように措置しなければならない。
したがって、法律上の最低限の義務を果たす場合の規定は「3年の間に2回まで(上限2回)」となる。
もちろん、法を上回る措置を導入し、「3年の間で3回まで」「3年の間で何回でも」と規定することは、労働者がより仕事と介護との両立をしやすくなるための措置として望ましい。


2-2 介護のための所定労働時間の短縮等の措置は、2回以上の利用が可能な措置としなければならないが、何回でも利用可能とした上で、1回に申出できる期間の上限(1回につき最大1年間まで等)を事業主が設定してもよいか。

(答)
1回に申出できる期間については育児・介護休業法上規定はなく、制度利用開始日から3年間以上の期間、2回以上の利用が可能な制度となっていれば、1回に申出できる期間の上限を事業主が設定しても差し支えない。


2-3 介護のための所定労働時間の短縮等の措置は、連続する3年間以上の期間における措置を講じることとされているが、改正法施行前に既に介護のための所定労働時間短縮等の措置を利用した労働者については「、3年間以上の期間」の起算点はいつになるのか。

(答)
介護のための所定労働時間の短縮等の措置については、改正法施行日前の労働者の利用状況に関わらず、利用開始日から連続する3年間以上の期間講じる必要がある。したがって「3年以上の期間」の起算点は、すでに利用実績があった場合でも、改正法施行日の平成 29 年1月1日以降初めて制度の利用を開始する日として労働者が申し出た日となる。


【子の看護休暇/介護休暇】

3-1 労使協定で半日の単位を午前3時間・午後5時間とするような場合、かつ当該休暇が無給の場合の賃金計算は、1日分の1/2としてよいのか、あるいは実際の欠勤時間分の控除でないといけないのか。

(答)
賃金控除は実際の欠勤時間分としなければならない。
なお、実際の欠勤時間分を下回る時間数を控除することは差し支えない。


3-2 所定労働時間数が8時間のところ、労使協定により、半日の単位を、午前3時間、午後5時間とした場合に、午前3時間を2回取った時はトータル6時間だが、それでも1日分を取得したことになるのか。その場合、賃金計算はどのようにすればよいか。

(答)
半日単位で2回取得しているので、1日分取得したこととなる。休暇が無給の場合において、賃金計算については、3時間の控除を2回行うこととなる。


3-3 既に社内規則で子の看護休暇・介護休暇の半日単位取得を導入している場合でも、所定労働時間の1/2とは異なる時間を半日としている場合には、改めて半日単位取得の時間数について労使協定を結ぶ必要があるのか。

(答)
育児・介護休業法施行規則第 34 条第2項において、労使協定の締結を要件としているため、労使協定で①対象となる労働者の範囲、②取得の単位となる時間数、③休暇1日当たりの時間数について定める必要がある。


3-4 時間単位で取得できる制度を設けている事業所であってもさらに半日単位で取得できる制度を設けることが必要か。

(答)
時間単位での取得が可能な制度があり、当該制度が全ての労働者に適用されている場合は、すでに法を上回る内容となっているため、半日単位取得についてさらに定めることは必要ない。


【有期契約労働者の育児休業の取得要件】

4-1 契約期間が相当に短い者(2ヶ月、3ヶ月)であっても、申出時点で過去1年以上継続雇用されており、子が1歳6ヶ月になるまでに雇用契約がなくなることが確実でなければ、育児休業の対象となるのか。

(答)
育児休業の対象となる。


4-2 有期契約労働者が、改正法施行日以降を育児休業の開始予定日とする申出を、改正法施行日より前に行った場合、育児休業の取得要件は、改正前後いずれで判断するのか。

(答)
有期契約労働者が育児休業の取得要件を満たすか否かは、申出時点で判断することとなるため、質問のような場合は、改正前の育児・介護休業法による取得要件を満たさなければ育児休業を取得することはできない。


【育児休業等の対象となる子の範囲】

5-1 育児休業の対象となる子の範囲が特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子等に拡大されるが、子の看護休暇、育児のための所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限、短時間勤務
の対象となる子の範囲も同様か。
また、介護休業等の対象となる子の範囲は変更されないのか。

(答)
子の看護休暇、育児のための所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限、短時間勤務の対象となる子の範囲も同様である。
介護休業等の対象となる子の範囲については、法律上の親子関係がある子から変更はない。


5-2 特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子について、その関係について証明する書類としてはどのようなものがあるのか。

(答)
特別養子縁組の監護期間にある子に関しては「家庭裁判所等の発行する事件係属証明書」、養子縁組里親に委託されている子に関しては「委託措置決定通知書」を、これらに準ずる子に関しては「児童相談所長の発行する証明書」を想定している。


以上です。

介護



かなり具体的な内容にまで触れていて、勉強になります。


今後もこのQ&Aは追加される可能性がありますので、適宜確認が必要です!!


平成28年改正法に関するQ&A

日本の医療を取り巻く苦しさ

昨日、医療や年金制度の存在が危ぶまれている、というようなお話を述べましたが、本日はその続き的な内容を少し・・・


最近、がん治療薬「オプジーボ」が何かと話題になっています。


とても効果があるそうですが、この薬を使うと年間3500万/人もかかるということで、医療保険の破たんを招くのではないかと懸念の声が上がっています。


日本は長年先進諸国と比べて安価で良質な医療が受けているといわれてきましたが、OECDの統計によると、日本の1人当たり保健医療支出を対GDP(国内総生産)比でみると、米国、スイスについて第3位となるそうです。


そんな状況の中、日本の医療を取り巻く環境は年々厳しくなっています。


その要因の一つはやはり『急増する高齢者』の問題です。


75歳以上の後期高齢者は2014年現在約1600万、総人口の13%を占めますが、団塊世代が75歳以上となる25年にはこの数が2200万人弱、同18%に増え、60年には2300人超、同27%に達すると推測されています。


これとともに医療費も膨らみ、政府が12年に出した長期統計では現在40兆円程度の医療費は25年には54兆円になると見込まれています。


負担



高齢者が病気がちになり、医療費が膨らむのは仕方がないことですが、問題視されているのは、医療費の抑制がうまく進まず、それに見合った財源が確保できないことにあります。


これに関しては、現在の医療制度の仕組みが複雑で、医療費の使用と負担のバランスをとれていないことが多くの人に十分理解されていないことも過剰受診の原因となり、状況を悪化させているといわれています。


2008年以降、後期高齢者医療制度が創設されているのですが、実際にこの制度で高齢者が負担している医療費の負担は何割くらいか皆さまご存知でしょうか?


実は何と『1割』です。


後は、現役世代の保険制度から、拠出金名目で4割が負担されていて、残りの約5割は公費で負担して何とかやりくりしている状況にあります。


内訳は次のような感じです。

トータル負担:16.3兆 
(内訳:患者負担1.2兆円・公費7.1兆円・現役世代の保険料6.3兆円・高齢者の保険料1.2兆円・その他0.5兆円)


ちなみにこの公費というのは税と赤字国債が原資となりますので、将来の若者への付けで、これが賄われているというわけです。


しかし、こういった事情を多くの人は中々理解されておらず、高齢者の医療負担を1,000円/月ほど引き上げようというするだけでも、年金額の伸びが期待できず年々下がりつつある中では、なかなか理解を得ることは容易ではなく、ずるずると問題が先延ばしにされているのが現状です。


ちなみに、現役世代のこれ以上の負担も、もう限界に来ていて、ここのところ協会けんぽは毎年、これ以上の拠出金負担の増加は現役世代が耐えられなくなるという懸念を表明しています。


誰もが、健康であり続けたい気持ちは一緒ですので、誰も攻めることが出来ない問題ですが、現状を直視し、それぞれの世代がこの制度持続のためにどう行動していくのか、そういうことを考えなくてはいけないところに来ています。


今、保険料の引き上げ、介護負担の引き上げ等を国はも検討していますが、世代間の公平性を加味しながら実施されればよいのですが・・・・・


せめて、今の制度を当たり前と思わず、有り難さを理解して、利用していきたいものですね。

厚生年金保険料額表(平成28年10月分~)

この時期と来れば「厚生年金保険料」


残念ですが、毎年上がるわけでございまして、ご多分に漏れず、今年もアップされます。


社会保険


先日、そんな厚生年金保険料の新しい料額表が発表されています。


今の時代、給与が据え置きですと、毎年手取りは一方的に減っていくわけで、政府は「昇給しましょう!!」と声高に叫ぶわけですが、一生懸命努力をして昇給をしても、その分社会保険料の補てんに消えていく、はたまた下手をすると給与を上げることで社会保険料負担も上がったりして、何をしているのかわからないような部分があります。


消費を増やしていくためには、医療や介護に関する適正負担への見直しと、将来があり消費を強く牽引していく、若者世代の可処分所得の増加が必要なのかな~と思いますが、なかなかそのあたりは議論が進んでいないような状況です。


当然、いずれみんな老いることを考えると、医療費は安く、負担が少なく、に越したことはないわけですが、年金や保険の制度はこのままでは破たんしてしまうともいわれているような財政状況だけに、国民一人ひとりが、全体の幸福を考えながら、医療や年金の在り方に触れていくことが大切なのかもしれませんね。

厚生年金保険料額表(平成28年10月分~)を掲載しました。

一般及び坑内員・船員の被保険者の方

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