Faith to Face  ~オレキケ社労士の日々ウダウダ!!~

社会保険労務士として、日々奮闘中のT&Dが、日々起こる話をウダウダ語ります。

今後の雇用保険制度の流れ


先日、厚生労働省労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部(長い名前ですが T_T)にて今後の雇用保険制度について話し合いが行われています。



雇用保険制度に係る論点についてという内容で話し合われているのですが、雇用継続給付や平成25年度末までの暫定措置(雇止め等により離職した者の給付日数拡充ついて離職理由者に該当した場合の対応)を今後どうするかなどについて話し合いが行われています。



その内容は以下の通り、


1 平成25年度末までの暫定措置
(1)個別延長給付
現在の雇用情勢は、一部に厳しさが見られるものの改善が進んでいるとされているが、現在でも7割程度の者が基本手当受給後の個別延長給付を受給していることから、当該給付の暫定措置の効果及び終了した場合の影響を考慮する必要がある。

これらを踏まえ、延長することについてどのように考えるか。

延長する場合には、支給要件(年齢、地域、個別要件)はどのように考えるか。


<これに対する意見>
・暫定措置であることから、効果について詳細に見てから継続について判断するべき。

・基本手当支給終了者の 70%が個別延長給付を受給していることを踏まえると、暫定措置が終了した場合の影響は大きいため、恒久化を含め継続を検討するべき。

・個別延長給付の各要件(年齢、地域及び個別支援)について、複数の属性を有する者の要件の適用に当たって、標準的なルールで運営するべき。



(2)雇止め等により離職した者の給付日数の拡充
現在の雇用情勢は、一部に厳しさが見られるものの改善しているとされているが、特定理由離職者である受給者数は必ずしも減少傾向にはないことや、今年度から施行された労働契約法等の非正規労働者対策の状況を考慮する必要がある。これらを踏まえ、延長することについてどのように考えるか。


<これに対する意見>
・暫定措置であることから、効果について詳細に見てから継続について判断するべき。

・労働契約法が改正され、今年度より施行されたが、5年を超える前に雇止めとなる者への保護が必要であることから、恒久化を含め継続を検討するべき。



(3)常用就職支度手当
若者の雇用状況が依然として厳しいことを踏まえ、(1)及び(2)の状況のもと、延長することについてどのように考えるか。


<これに対する意見>
・若者の状況は依然として厳しいので、引き続き支援は必要であり、継続するべき。



(4)雇用保険二事業に要する費用の失業給付等の積立金からの借入れ

現在の雇用保険二事業の財政状況を踏まえ、どのように考えるか。


<これに対する意見>
・これに対しての意見は述べられていません(何故でしょう??)




2 学び直しの支援措置について
経済のグローバル化や少子高齢化への対応のために日本再興戦略(平成25年6月14日閣議決定)で学び直しの必要性が謳われており、学び直しを支援するため、教育訓練給付の効果を踏まえつつ、社会人の学び直しに資
する教育訓練を受講する場合に給付率を引き上げることについてどのように考えるか。



学び直しの支援のためには、本人のキャリアアップに真に資するものである必要があることから、一定の高度な教育訓練を対象とするとともに、給付に当たり、受講前に本人がキャリア・コンサルティングを受けることを前提とすることについてどのように考えるか。



従業員の学び直しを支援する事業主に助成するキャリア形成促進助成金・キャリアアップ助成金の支給対象等についてどのように考えるか。


<これに対する意見>

(1)訓練・支援措置のあり方について
・高額な助成をする以上は本人のキャリアアップに資するものでなければならない。雇用保険給付として支援を行うのであれば支給要件として「企業におけるキャリアプログラムの策定」や「キャリアコンサルティングの実施」を設けるべき。


・転職を見据えた人が学び直しを受ける場合に所属職場から不利益な取扱いを受けないように対策を講ずるべき。

・例えば、現在は資格試験の受験をせずとも、講座の受講について給付が出る形となっている。また、現在は3年間の被保険者期間があれば、以前受講した者でも再び教育訓練給付を受講することが可能となっている。教育訓練給付の拡充を検討するのであれば、その効果を十分議論すべき。

・教育訓練指定講座受講者アンケートによると、受講しても就職に結びついていない者が一定数いるようであるが、このような者についてハローワークでフォローをする仕組みが必要。また、講座に対する感想として、「趣味・教養に役立つ」との意見がみられることから、指定基準そのものの見直しも検討すべき

・仕事に結びつかない教育訓練に対する給付の充実は適切ではない。

・求職活動が長くなることは、本人だけではなく社会にとっても損失である。訓練に対する支援が必要であり、求職者支援訓練の活用を考えていくべき。



(2)企業が行う訓練に対する支援について
・若者チャレンジ奨励金について着眼点はよいが、本来企業の当たり前の活動である OJT を中心とした訓練であっても奨励金が支給される仕組みとなっている。濫給を防止するべき。

・キャリア形成促進助成金は当初大企業も助成対象であったが、現在は中小企業のみとなっている。一方、キャリアアップ助成金は大企業も助成対象となっている。このような違いについてもよく考えていくことが必要。

・正規・非正規という概念は必ずしも固定的なものではなく、現在でも短時間正社員や地域限定正社員というものが存在する。また、労働契約において様々な労働条件が定められている中、雇用期間の定めの有無に限られない議論が必要。



雇用保険制度 皆さんのお役にたてますように・・・



3 基本手当の水準(給付率、給付日数)

・基本手当の水準については失業中の生活の安定と早期再就職とのバランスをとって考えるべきという意見がある一方で、現在の雇用保険の財政事情や長期失業者が多いことから給付水準の見直しを行うべきという意見がある。これらを踏まえ、給付水準についてどう考えるか。



・基本手当支給終了までに就職した割合(就職率)は、過去 10 年間おおむね5割前後で推移している現状を踏まえ、早期再就職を促進するためのインセンティブ(再就職手当)について、どのように考えるか。


<これに対する意見>

・基本手当については、失業中の生活の安定と早期の再就職とのバランスをとって考えるべき。またリーマンショック以降、被保険者要件の拡大や求職者支援制度の創設がなされてきたことを考慮するべき。

・現在の雇用保険の財政状況を踏まえれば、給付水準の見直しに向けて議論を行うべき。

賃金日額の下限額について、最低保障の考え方で設定するべき。

・労使の保険料が賃金に応じて上限なく設定されている一方、給付に上限があるのは不適切ではないか。

・諸外国の例も参考にしつつ、生活保障の観点から扶養の有無についても加味していくべき。

・長期失業者についても雇用保険制度の中で支援を考えるべき。




4 育児休業給付

平成 25年8月6日に取りまとめられた社会保障制度改革国民会議の報告書において、育児休業の取得促進の必要性が指摘されるとともに「育児休業を取得しやすくするために、育児休業期間中の経済的支援を強化することも含めた検討を進めるべき」とされた。

これまでも育児休業給付は給付率の引上げ等により育児休業給付受給者が増加しており、育児休業の取得促進に寄与していると考えられる。少子化対策や仕事と子育ての両立支援を強化する観点から、育児休業給付の給付率の引上げについてどのように考えるか。引き上げる場合には、給付率の設定をどのように考えるか、給付期間についてどのように考えるか。



<これに対する意見>

○ 育児休業給付の受給者は増えており、法改正の効果が認められる面はあるのではないか。

○ 女性の半数以上は非正規であり、支給要件期間を満たさない者が多いことについても考えていくべき。




5 その他

(1)高年齢雇用継続給付・65歳以上の者への対応

65歳以上の者への対応については、雇用と年金の接続に資する観点も考慮し、今後の雇用情勢や社会経済情勢等を勘案しつつ引き続き中長期的な観点から議論していくことについてどう考えるか。



高年齢雇用継続給付については、平成 25 年4月に施行した高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律を踏まえて高年齢者の雇用の確保を図る中で、どのように考えるか。


<これに対する意見>

・60歳以上の安定的な収入の確保、雇用の継続という観点から高年齢継続給付は引き続き存置するべき。また、以前設けられていた国庫負担についても検討するべき。

・年金の支給開始年齢引上げを踏まえると、65歳までの雇用の確保が第一。高年齢者雇用継続給付が再雇用時の賃金に影響を与えている一方で、再雇用時の公的給付の役割も担っていることから引き続き多面的な議論が必要。



(2)マルチジョブホルダー

マルチジョブホルダーについては、適用に当たっての労働時間の把握方法や失業の判断といった課題もあり、2017 年の番号制度のシステム運用の状況を考慮しつつ検討を行うことについてどのように考えるか。


<これに対する意見>

・現在就労している複数事業所の就労時間の合計が週20時間を超えるのであれば、単一事業所で被保険者となる者と同様に適用するべき。今後施行される番号制度の活用も検討するべき。

・マルチジョブホルダーの捕捉は難しく、システム的にも検討事項が多いなど実施面の課題があるのではないか。

・全雇用者のうち副業をしている者の数は所得の低い層の割合が高くこれらの人には所得保障が必要ではないか。

・番号制度ができて、マルチジョブホルダー適用のためのインフラ整備は一歩進んだ一方、失業認定等の課題も多く、2017 年の番号制度のシステム運用を見据えて引き続き検討する必要がある。



6 求職者支援制度について

・訓練実施機関が、必要となる訓練を十分に実施できるようにするとともに、訓練の質を確保していくための方策についてどのように考えるか。



・職業訓練受講給付金の金額や支給要件が「訓練受講を容易にする」という趣旨から妥当なものとなっているか検討することについてどのように考えるか。



・職業訓練受講給付金を受給するために、「やむを得ない理由」による欠席の場合でも 8 割以上の出席日数が求められる要件について、制度の最終目標が就職であることを踏まえ、就職面接による欠席の場合などの取扱いを
どのように考えるか。また、「やむを得ない理由」や欠席のカウント方式についてもモラルハザードに留意しつつ、訓練を受けるべき者が適切に訓練を継続できるようにするために見直しを検討することについてどのように考えるか。



・訓練受講後の就職について、より安定した就職につながるよう、ハローワークや訓練実施機関による就職支援や就職の内容に応じた取扱いについてどのように考えるか。


<これに対する意見>

・求職者支援制度の創設時に、国庫負担は1/2(暫定でさらにその55%)となり、残りは雇用保険料で賄われることとなったが、これまでの労働政策審議会での議論の通り、国が全額負担するべき。また、緊急人材育成支援事業の残額の活用についても実施するべき。

・求職者支援制度における職業訓練受講給付金では月10万円の給付がなされる一方で、雇用保険制度における基本手当が月10万円に満たない者が約1割程度いるアンバランスの解決策を検討するべき。

・モラルハザードに留意しつつ、訓練を欠席するやむを得ない理由について、証明方法を多様化するなど、職業訓練給付金を受けながら、安心して訓練を受講できる制度運用にするべきではないか。

・訓練期間中に就職面接を受けた場合でも、やむを得ない理由による欠席とされているが、就職に結びつけることが制度の目的であることを鑑み、何らかの配慮が必要ではないか。

・交通機関の遅延による遅刻は、やむを得ない理由による欠席とされるが、地域の交通事情も考慮した対応となるよう配慮が必要。

・制度が十分に認知されているかという点に関連して、典型的な受講者像を把握するべき。

・産業構造など地域のニーズを踏まえたコース設定が必要であり、訓練の中止率を下げていくためにも、ニーズを把握して受講者と就職の受け皿をマッチングさせることが重要である。

・訓練の質・量の確保という観点から、訓練の地域的な偏在の解消に資する上でも中止率に注目する必要がある。

・受講者と訓練機関との関係など、訓練機関に関する分析も必要ではないか。

・就職率が 7 割を超えるなど効果は出ているが、雇用期間の定めの有無や雇用形態、雇用保険加入状況といった就職の内容について、実態を把握するべき。

・就職できていない方について、訓練内容やハローワークによる支援が適切であったか分析が必要ではないか。




7 財政運営について

失業には雇用政策を行う国に一定の責任があることから本来の負担割合に戻すべきという意見がある一方で、財政制度等審議会報告書(平成25年5月27日)において、納税者負担で勘定の収入の一部を支えているという
負担者と受益者の対応関係などを踏まえつつ、国庫負担の引下げも含め、そのあり方について検討を行うべきとの意見もある。これらを踏まえ、どのように考えるか。


<これに対する意見>

・失業に対する雇用政策については国も責任を担うべきことから、失業等給付の国庫負担割合の暫定措置(原則から55%に引下げ)を廃止し、本来の負担割合に戻すべき。国庫負担の廃止といった議論は不適切である。

・失業等給付の予算はその後の決算と比較すると乖離があり雇用保険の財政運営は保守的に過ぎるのではないか。

・雇用形態別の失業リスクに応じた保険料率の設定についても議論するべきではないか。

・積立金の残高を踏まえると、保険料引下げを検討すべき。

・積立金の残高を踏まえると、給付の引上げを検討すべき。



以上です。


現在給付されているものについては、原則継続の方向で、また、育児休業時の給付についても給付を増やす方針を見て取る事ができます。


一方で、教育訓練等に関しては効果を重視し、今後もベストな選択をも模索されようとしている事が見て取れます。



制度と実態の乖離が埋まっていくよう願うばかりですが、今後も要注目です。


雇用保険制度に係る論点について(案)


これまでに出された主な意見について

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