Faith to Face  ~オレキケ社労士の日々ウダウダ!!~

社会保険労務士として、日々奮闘中のT&Dが、日々起こる話をウダウダ語ります。

労働時間規制の見直しに関する意見

先日5日、内閣府の規制改革会議にて『雇用ワーキング・グループからの報告(労働時間法制等の見直し、ジョブ型正社員の雇用ルールの整備)』なる報告書が提出されています。


この内容は下記の通り。


(改革の目的)
多様な形態で働く者それぞれの健康を確保し、創造性と高い生産性を発揮できる柔軟な労働環境をつくる。それを通して労働者の活力と企業の競争力を高め、力強い経済成長を実現し、新たな雇用機会を創出する。


1. 労働時間法制の包括的な改革を

<健康確保の徹底のための取組み>
わが国ではフルタイム労働者の総実労働時間は過去20 年ほど変わっておらず、長時間労働はいまだに大きな社会問題である。健康確保を徹底するために、労働時間の量的上限規制の導入が必要である。



<ワークライフバランスの促進>
年次有給休暇消化率、長期連続休暇の取得率が国際的にみても低い。休日・休暇取得促進に向けた強制的取り組みや、労働時間貯蓄制度(時間外労働に対して割増賃金ではなく休暇を付与する制度)の本格的導入などが必要である。



一律の労働時間管理がなじまない労働者に合った労働時間制度の創設
労働者の中には、その成果を労働時間の長さで測ることができず、実労働時間で管理することがなじまない層が多様に存在する。こうした労働者の生産性を上げ、長時間労働を解消するために、労働時間の長さと賃金のリンクを切り離し、その働き方にあった労働時間制度が必要である。





2. 労働時間規制の三位一体改革を

上記の、①労働時間の量的上限規制、②休日・休暇取得に向けた強制的取り組み、③一律の労働時間管理がなじまない労働者に適合した労働時間制度の創設、は相互に連関した課題である。それぞれが個別に議論されると、
使用者側・労働者側いずれかからの反対を受け、議論が進まない。


規制改革会議では、上記 3 つをセットにした改革として、労使双方が納得できるような「労働時間の新たな適用除外制度の創設」を提案したい。




3.一律の労働時間管理がなじまない働き方に合い、健康確保と両立する適用除外制度の創設


(1)
現在ある労働時間の例外的措置のうち、
   
   ① 管理監督者の適用除外、
   ② 裁量労働制

の2 つについては、前者は“名ばかり管理職”を生んでいるという問題が指摘されており、後者は手続が煩雑で利用度が低い。このため、分かりやすく実態に合致した新制度を創設する。



(2)
適用除外の範囲は、国が対象者の範囲の目安を示した上で、基本的には、企業レベルの集団的な労使自治に委ねる(労使代表で労使協定を締結)。また、割増賃金制度は深夜を含めて適用しないこととする(労基法37 条)。



(3)
使用者の恣意的運用を排除するため、取り決め内容(労使協定)を行政官庁(労働基準監督署長)に届け出ることを義務化する。



(4)
適用除外対象者の健康確保を徹底し、ワークライフバランスを促進するため、

① 労働時間の量的上限規制と、

② 休日・休暇取得促進に向けた強制的取組み

をセットで導入する。

①②それぞれについて、下記の具体例のような取組みの中から、産業、職務等の特性に応じて、労使の合意によりいずれか一つまたは複数の組み合わせを選択する。そのための枠組みを国が設定する。



(5)
国が枠組みを設定するにあたっては、企業活動の実態に合わず、企業の活力低下につながることがないよう、適切な選択の幅が用意されるべきである。また、非常時においては、労使の取り決めにより、一時的にこうし
た規制を緩和できるよう、十分配慮されるべきである。



(6)
一定の試行期間を設け、当初は過半数組合のある企業に限定する。



【例:セットで導入すべき取組み。いずれか一つ又は複数の組合せとする】

(1) 労働時間の量的上限規制

・一定期間における最長労働時間の設定

・翌日の労働開始まで健康安全確保のための最低限のインターバルの導入、など

注:経営層に近い上級管理職等については、労働時間の量的上限規制に代えて健康管理のための適切な措置の義務付けを行うことも考えられる。


(2) 休日・休暇取得に向けた強制的取組み
・年間 104 日(週休 2 日相当)の休日を、労使協定で定めた方法で各月ごとに指定して取得

・年休は労使の協議に基づいて柔軟かつ計画的に付与
  (年休時季指定権を使用者へ付与した上で労働者の希望・事情を十分考慮)

・長期連続休暇の義務化、など



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4.今後の議論の進め方

現在、労働政策審議会では、中小企業に猶予されている時間外割増賃金率、企画業務型裁量労働制の在り方など個別テーマを中心に議論がなされているが、長年の長時間労働問題を解決するには、労働時間法制を包括的に議
論することが不可欠である。


労働時間法制の適用除外制度の基本的な枠組みについて、規制改革会議の本意見を受けて、労働政策審議会において議論が開始されることを強く期待する。


規制改革会議は、厚生労働省、労働政策審議会の取り組みを注視し、検討状況の聴取などを行いながら、必要に応じて会議の意見を示すなど引き続き積極的な働きかけを行っていく。


新たな適用除外制度が機能するためには、労働時間の多寡によらない成果評価の基準を明確化していくとともに、長時間労働を是正するための働き方の工夫が必要である(職務範囲や責務の明確化、職務限定型の働き方の
促進など)。

以上



かなり大胆なところまで切り込んでおり、今後の動向が注目です。


第22回規制改革会議
雇用ワーキング・グループ提出資料

創造力を伸ばす仕掛けPageTop会社は合同労組・ユニオンとこう闘え(お勧めの一冊)

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