Faith to Face  ~オレキケ社労士の日々ウダウダ!!~

社会保険労務士として、日々奮闘中のT&Dが、日々起こる話をウダウダ語ります。

社会保障亡国論 (お勧めの一冊)

今回お勧めの一冊は「社会保障亡国論」(鈴木 亘 著)です。


本書は本書は経済学者で大阪市特別顧問などをされている鈴木教授が社会保障制度の現状と課題、今後必要な施策について述べた一冊です。


この本を読むと、なんとなく「やばい」と感じている社会保障制度がもはや限界まできている事がよくわかります。



社会保障費の負担は急激に伸びており、一方収入は保険料がこれだけ上がっているにもかかわらず、現状維持の状態が続いており、そのギャップは広がるばかりです。


この負担増を考えると、今回の消費税増などは「焼け石に水」であり、たとえ10%に挙げたとしても何の対策にもならない事が理解できます。


このままで行くと、60年後には社会保障制度維持の為に消費税が少なくとも41.5%国民負担率(社会保障の保険料負担や税負担が国民所得に占める割合)が81.2%にまで引き上げないといけない、などと、とんでもない統計結果が示されています。


また、日本国内で最も一般的に用いられている年金財政予測モデル(OSUモデル)を用いた年金積立金の将来予測が示されており、これによると、アベノミクスによる株高の影響等を考慮しても、厚生年金は2038年、国民年金は2040年に積立金が枯渇することが予測されています。



さらに社会保障制度における世代間格差はもはや財政的虐待のレベルまで差がつきつつあり、生年別の年金・医療・介護から受けられる生涯純受給額(給付額-負担保険料の総額)を見ると、下記のような感じとなります。(社会保障亡国論より引用)


世代間格差
注)厚生年金、健保組合に40年加入の男性、専業主婦の配偶者のいるケース。
厚生年金は、現状では100年後までの財政均衡は達成されていないため、保険料率は2017年度に18.3%に達して以降も引き上げつづけ、2032年度に23.8%まで引き上げてその後固定する改革を行うと想定。(それに伴って、マクロ経済スライドも2041年度まで適用)生涯賃金を3億円として計算している。




もちろん、鈴木教授の意見だけを鵜呑みにするわけにはいけませんが、制度の成り立ち、少子高齢化の状況などから常識的に考えても、それほどはずれた予測ではないと考えられます。


このような状況から、これから生まれてくる子供たちは、生まれながらに年金等による負債を一人当たり6000万背負って生まれてくると言われています。



この本には、このような状況を打破するための具体的改革案も提言されています。



ただ、その内容は負担と比較して給付を受け過ぎている高齢者への一定の対応が含まれているものの、現役、そして未来の人達も痛みを伴うものとなっています。



改革を勧めれば痛みはあるものの、現状の制度を維持できる可能性はあるのかもしれません。


しかし、それすらも、社会保障に関連する各立場のそれぞれの主張が、当たり前のことを当たり前にできない状況を作っている、という著者が指摘する現状が本当にあり、これが改善されないのであれば、問題がかなり深刻であり、この制度自体が破たんする可能性もあります。



私達は、この分野の専門家として、将来の子供たちの為にも、この制度について深く知り、良し悪しを含めて、事実を伝えて行かなくていけないとあらためて感じたのでした。



同業の方には、マストな一冊かと思います。



ご興味のある方は是非・・・



社会保障亡国論 (講談社現代新書)社会保障亡国論 (講談社現代新書)
(2014/03/19)
鈴木 亘

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