Faith to Face  ~オレキケ社労士の日々ウダウダ!!~

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労働者派遣法改正法案 Q&A


今国会で、派遣労働者個人単位の期間制限(3年)と派遣先の事業所単位の期間制限(3年、過半数代表者の意見聴取により延長可)を設けたり、これまでのあり方から大きく変わる新たな期間制限のあり方などが盛り込まれた労働者派遣法の改正法案が提出されています。


今回の改正案には賛否両論、様々な問題が指摘されていることから、今国会での成立は難しく、秋の臨時国会に持ち越されることが濃厚となっています。


今回の法改正は多く注目を浴びており、改正前の今から、厚生労働省には見直し案に関する問い合わせが多く寄せられており、厚生労働省ではこれに対応するために「労働者派遣法の見直しについて」という専用サイトを3月に作成し、法律案や労働政策審議会の建議等を掲載するほか、「見直し案に関するQ&A」を掲載しています。


その内容は下記のとおりです。


Q 1
今回の見直し 案で は、派遣労働者が同じ職場で働ける期間は3年までとする “ 個人単位の期間制限 ” が新たに設け ら れ る ことが提案された と聞きましたが、どのような 内容 ですか。

A 1
 “個人単位の期間制限”は、同じ派遣 労働者 が、同じ 職場 (「課」レベルを想定) で 働ける期間について、3年を上限とすることが提案されたものです。


派遣①_convert_20140611010900


Q2
 “個人単位の期間制限”は、どのような趣旨で提案されているのですか。

A2
“ 個人単位の期間制限 ”は、 派遣 労働という 働き方 が 雇い主 (派遣会社)と指揮命令を行う者(派遣先)が分離していることにより、労働者の雇用の安定と キャリア形成 が図られにくいなどの課題があることから、これを臨時的・一時的な働き方と位置付けることを原則とすべき と されたこと を受けて提案されているものです。

派遣労働者のまま 同じ 職場で 同じ ような 業務 を長期間続けることは 、 不安定な雇用形態である有期の 派遣 労働への固定化を招きかねないことや 、 一定の期間後 に 職場が変わることによるキャリアアップ の 契機 を 確保するとの考え方から、正社員の人事異動の周期などを参考に 、上限 は 3年と され ています 。



Q3
今回の見直し 案で は、 派遣先における期間制限についても見直しが行われると聞きましたが、これまでの期間制限 とどの ように違う のですか 。

A3
現行制度では、 派遣先が同一の業務に派遣を受け入れることができる期間は、原則 1 年(最長3年(*1))に制限されています。

その一方で、 いわゆる「 26 業務」(*2) 等 に該当する場合には、派遣受入期間の制限はありません。

今回の見直し案における“派遣先単位の期間制限”は、 一部の例外(*3)を除き、同一の事業所において3年を超えて継続して派遣労働者を受け入れてはならないとされたものです 。これ は、事業所で最初に派遣労働者を受け入れた日を起点として、その後その事業所に受け入れた派遣労働者を 含めて、その起点 日から3年目の日を上限と することが提案されているもの です。

なお、事業所における派遣労働者の受入開始から3年を経過するときまでに、事業所における過半数労働組合(過半数代表者)から意見聴取をした場合には、更に3年間派遣労働者を受け入れることができるとされています(*4)。

(*1)
1年を超える派遣を受けようとする場合は、過半数労働組合等に対し、派遣を受けようとする業務・期間・開始予定時期を通知し、十分な考慮期間を設けた上で意見聴取を行った上で、派遣受入期間を定めることが必要とされています。

( *2)  
専門的 な知識等が必要な業務、特別の雇用管理が必要な業務であって、当該業務に係る労働者派遣が労働者の職業生活の全期間にわたる能力の有効発揮及び雇用の安定に資する雇用慣行を損なわないと認められるものとして、政令で定められている業務を指します。ソフトウエア開発や事務用機器操作、通訳等の業務が含まれます。

(*3 ) 
無期 雇用の派遣労働者、 60 歳以上の高齢者、日数限定業務、有期プロジェクト業務、育児休業の代替要員等の 業務
 
(*4)
ただし、過半数労働組合等が延長について反対の意見を表明した場合は、派遣先は速やかに対応方針等を説明することとされています。




Q4
今回の“派遣先 単位の期間 制限”は 、どのような趣旨 で 提案されている のですか 。

A4
労働者派遣事業は、労働市場に おいて労働力 の迅速・的確な需給調整という重要な役割を果たして い る 一方 で、派遣労働の雇用と使用が分離した形態であることによる 弊害 あり、それ を 防止することが適当で ある とされ ています 。

Q2の回答で述べた派遣労働者個人についての課題に加え、派遣先との関係でも 、 派遣先の常用労働者(いわゆる正社員)との代替が生じないよう、派遣労働の利用を臨時的・一時的なものに限ることを原則と す ること が労働政策審議会建議において適当とされました 。

現行法でも 、 26 業務という区分及び業務単位での期間 制限 がありますが、これは 分かりにくい 等の様々な課題があることから撤廃し、 26 業務か否かに関わりなく適用される共通ルールを設ける こと が提案されました。具体的には、Q3への回答で述べたとおり、業務の違いに関わらず、事業所単位で派遣労働の受け入れは原則3年までとすることが提案されたものです。

派遣②_convert_20140611011423



Q5
今回の見直し案で、派遣労働者の均衡待遇確保のための取組を強化するとありますが、どのような内容ですか。

A5
派遣労働者の待遇については、より一層の改善を図る必要があることから、派遣労働者の均衡待遇の推進を図る内容が提案されています。

そこで、派遣元が講ずべき措置として、以下の内容が提案されています。

なお、指針の内容については、具体的な文言については未定であり、現在は、労働政策審議会建議(平成 26 年1月 29 日)の内容に基づいて記載しています。

派遣③

また、均衡待遇を推進するためには、派遣先の協力も重要であることから、派遣先の講ずべき措置についても、以下の内容が提案されています。

派遣④



  (*) 努力義務は、目標実現のため、心身を労してつとめることをもって義務を達成したことになり、目標の達成は必要ではない一方、配慮義務は、単なる心の中の動きにとどまらず、配慮の対象となった事項に実際に取り組むことが求められます。



Q6
今回の見直し案で、派遣労働者のキャリアアップを推進するとありますが、どのような内容ですか。

A6
現行法では、派遣労働者のキャリアアップに関する規定は存在しないところです。

しかし、労働市場における正規・非正規の二極化などを背景に、派遣労働者のキャリアアップを図ることが重要となっている一方で、派遣元事業主、派遣先の双方に教育訓練のインセンティブが働きにくいといった課題があることから、派遣労働者の希望に応じたキャリアアップが図られるようにする必要があります。

そこで、派遣元事業主が講ずべき措置として、以下の内容が提案されています。

派遣⑤

(*) 具体的な内容については、今後、省令の改正の際に検討することとなるため、現在は、労働政策審議会建議(平成 26 年1月 29 日)の内容に基づいて記載しています。

また、派遣元事業主が派遣労働者の職務能力の向上を処遇に反映するためには、実際に指揮命令をし、職務の状況を見ている派遣先の協力が重要であることなどから、派遣先の講ずべき措置として以下の内容が提案されています。

派遣⑥

さらに、正社員を希望する派遣労働者に対しては、その道が開けるように、派遣先の講ずべき措置として以下の内容が提案されています。

派遣⑦


派遣⑧_convert_20140611012546



Q7
今回の見直し案では、“個人単位の期間制限”の上限に達した場合、雇用が終了してしまうのではないですか。


A7
今回の見直し案では、同一の組織単位の業務について継続して従事した期間が3年に達する派遣労働者については、派遣元に対し、雇用安定措置として、以下のいずれかの措置をとるように義務づけることが提案されています。

○ 派遣労働者としての新たな就業機会の提供 

○ 派遣就業以外の働き方で派遣元事業主において無期雇用

○ その他の雇用の安定を図るために必要な措置(派遣先への直接雇用の依頼(※)を含む)

 (※)直接雇用に結びつかなかった場合には、他の措置を講じる必要があります。

派遣⑨

A.
派遣労働者の経歴や能力等に照らして、労働条件が明らかに合理的でないと認められる機会の提供は、雇用安定措置の趣旨を外れたものと考えられます。

派遣⑩


3年の上限に達する前の派遣労働者に対しても雇用の安定を図る必要があることから、同一の組織単位の業務について継続して従事した期間が1年以上に達する派遣労働者が引き続き就業を希望する場合には、派遣元に対して、上記のいずれかの措置を講じる努力義務を課すことも提案されています。



Q8
今回の見直し案では、正社員の仕事を見つけられなかった等により、やむを得ず派遣労働者として働いている方に対する支援はありますか。


A8
今回の見直し案では、派遣労働者のキャリアアップの推進や派遣先での直接雇用の推進に関する規定が盛り込まれています。

具体的には、A6で述べたように、段階的かつ体系的な教育訓練(計画的な教育訓練)や派遣労働者の求めに応じて職業生活の設計に関する相談の機会の確保その他の援助(キャリアコンサルティング)を実施する義務を派遣元に課すことが提案されており、派遣労働者のキャリアアップの推進を図る内容となっています。

また、同一の事業所等において、1年以上継続して同一の派遣労働者の役務の提供を受けている場合、その事業所等において通常の労働者(正社員)の募集を行うときは、募集情報を当該派遣労働者に周知する義務を派遣元に課すことも提案されており、正社員を希望する派遣労働者に対して、正社員のポストに応募する機会も提供されるような内容となっています。

このように、派遣以外での就業を希望する方には、その道が開かれるように支援する内容が提案されています。

派遣⑪

この他、正規雇用を希望する非正規雇用労働者の正規雇用化の支援のため、以下のような対策を進めています。

・フリーター等を支援する「わかものハローワーク」の拠点を拡充 (25年度3か所→26年度28か所)

・キャリアアップ助成金(※1)及びトライアル雇用奨励金(※2)の助成額・助成対象等を拡充

※1 正規雇用の転換を実施した事業主に対する助成額の増額等
※2 学卒未就職者や育児等でキャリアブランクのある者への対象拡充等
  
 
・雇用保険制度を見直し、非正規雇用労働者である若者等の中長期的なキャリア形成を支援

派遣⑫

(※)派遣先が、期間制限の抵触することとなる最初の日以降継続して派遣労働者を使用しようとする場合、当該派遣労働者に労働契約の申込みをする義務を規定


今回の見直し案では、派遣元により雇用安定措置が図られるほか、派遣先が期間制限の上限を超えて派遣労働者を使用する場合には、労働契約申込みみなし制度の適用の対象とすることが提案されており、派遣先が派遣労働者に対して労働契約を申し込んだとみなされることになり、法の効力として、派遣先は派遣労働者を直接雇用することになることから、現行の40条の4よりも効力が強い規定が設けられることになります。

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