Faith to Face  ~オレキケ社労士の日々ウダウダ!!~

社会保険労務士として、日々奮闘中のT&Dが、日々起こる話をウダウダ語ります。

最高裁の判決と均等法、育休法の通達


昨年、マタハラに関する最高裁の判決が話題になっていました。


内容は、妊娠に伴い、労働基準法65条3項に基づく軽易な業務への転換を請求した理学療法士が、その際、十分な説明を受けないままに副主任を免ぜられ、育児休業の終了後も副主任に任ぜられなかったことを不服として、男女雇用機会均等法9条3項に違反を訴えたというものです。


これに対し、裁判所は、児休業から復帰後の配置等が降格に該当し不利益な取扱いというべきか否かの判断に当たって次のような考えを述べています。


当該労働者が軽易業務への転換及び上記措置により受ける有利な影響並びに上記措置により受ける不利な影響内容や程度,上記措置に係る事業主による説明の内容その他の経緯や当該労働者の意向等に照らして,当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき,

又は

事業主において当該労働者につき降格の措置を執ることなく軽易業務への転換をさせることに円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって,その業務上の必要性の内容や程度及び上記の有利又は不利な影響の内容や程度に照らして,上記措置につき同項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するときは,同項の禁止する取扱いに当たらないものと解するのが相当である。


裁判所「平成24(受)2231 地位確認等請求事件 平成26年10月23日 最高裁判所第一小法廷判決」


これまでなんとなく、「そうですよね~」という判断基準が本判決で明確になった(実務上はケースバイケースですが)ということで、今後の育児等に関連する配転等の取扱いに大きく影響を及ぼすものと考えられています。


特に、法律と実態がかけ離れていることの多い、中小企業ではこの判決に対してどうしていくのかを考えていくケースが増えていくものと予想されます。


マタハラ



この判決を受け、厚生労働省は、育児休業等に関する新たな通達を発出しています。


内容は、この裁判の判決内容を追認するような形となっています。



「妊娠・出産、育児休業等を理由とする不利益取扱いに関する解釈通達」

1.男女雇用機会均等法解釈通達の一部改正
「法第九条第三項の「理由として」とは、妊娠・出産等と、解雇その他の不利益な取扱いの間に因果関係があることをいう。」につき、妊娠・出産等の事由を契機として不利益取扱いが行われた場合は、原則として妊娠・出産等を理由として不利益取扱いがなされたと解されるものであること。ただし、


円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障があるため当該不利益取扱いを行わざるを得ない場合において、


その業務上の必要性の内容や程度が、法第九条第三項の趣旨に実質的に反しないものと認められるほどに、当該不利益取扱いにより受ける影響の内容や程度を上回ると認められる特段の事情が存在すると認められるとき

又は

① 
契機とした事由又は当該取扱いにより受ける有利な影響が存在し、かつ、当該労働者が当該取扱いに同意している場合において、


当該事由及び当該取扱いにより受ける有利な影響の内容や程度が当該取扱いにより受ける不利な影響の内容や程度を上回り、当該取扱いについて事業主から労働者に対して適切に説明がなされる等、一般的な労働者であれば当
該取扱いについて同意するような合理的な理由が客観的に存在するとき

についてはこの限りでないこと。

なお、「契機として」については、基本的に当該事由が発生している期間と時間的に近接して当該不利益取扱いが行われたか否かをもって判断すること。

例えば、育児時間を請求・取得した労働者に対する不利益取扱いの判断に際し、定期的に人事考課・昇給等が行われている場合においては、請求後から育児時間の取得満了後の直近の人事考課・昇給等の機会までの間に、不利益な評価が行われた場合は、「契機として」行われたものと判断すること。

2.育児・介護休業法解釈通達の一部改正
「因果関係がある」については、育児休業の申出又は取得をしたことを契機として不利益取扱いが行われた場合は、原則として育児休業の申出又は取得をしたことを理由として不利益取扱いがなされたと解されるものであること。

ただし、

(イ)
円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障があるため当該不利益取扱いを行わざるを得ない場合において、

(ロ)
その業務上の必要性の内容や程度が、法第十条の趣旨に実質的に反しないものと認められるほどに、当該不利益取扱いにより受ける影響の内容や程度を上回ると認められる特段の事情が存在すると認められるとき

又は

(イ)
当該労働者が当該取扱いに同意している場合において、

(ロ)
当該育児休業及び当該取扱いにより受ける有利な影響の内容や程度が当該取扱いにより受ける不利な影響の内容や程度を上回り、当該取扱いについて事業主から労働者に対して適切に説明がなされる等、一般的な労働者であれ
ば当該取扱いについて同意するような合理的な理由が客観的に存在するとき

についてはこの限りでないこと。

なお、「契機として」については、基本的に育児休業の申出又は取得をしたことと時間的に近接して当該不利益取扱いが行われたか否かをもって判断すること。

例えば、育児休業を請求・取得した労働者に対する不利益取扱いの判断に際し、定期的に人事考課・昇給等が行われている場合においては、請求後から育児休業満了後の直近の人事考課・昇給等の機会までの間に、不利益な評価が行われた場合は、「契機として」行われたものと判断すること。
 誰もが希望する、子供を産み、育てても、それまで依然と同様に働き続けられる社会の実現と、現実的な現場での摩擦や軋轢、実際の業務上発生知る支障などのバランスをどう考えるか・・・


綺麗ごとだけでは済まない部分もあるため、難しい問題をはらんだ通知ですが、男女ともにお互いを尊重し合って思いやりある行動を心掛ける事から始めたいものですね。

「改正雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の施行について」及び「育児休業・介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の施行について」の一部改正について

改正の概要

「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果PageTop働く女性の処遇改善プラン

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