Faith to Face  ~オレキケ社労士の日々ウダウダ!!~

社会保険労務士として、日々奮闘中のT&Dが、日々起こる話をウダウダ語ります。

積極的なストレス対策で収益改善!!

今年12月からストレスチェック制度が義務化されます。


「マイナンバー対応だけでもバタバタしているのに、さらにまた、なんかせなあかんのか?」と担当者は苦労されていると思いますが、これも考え物なのかもしれません。


と、いうのは、どうもメンタルヘルス対策は、前向きに取り組むことで、組織にとってもよい事がたくさんあるようだからです。


なんとなく、メンタルヘルス対策というと、効果も実感しにくいし、「電通事件」があってからはどちらかというと、企業が身を守るために必要なので取り組んでいるというような感じがあると思います。


企業にとってメンタルヘルス不調者を抱えることは、大きなコストです。


内閣府の試算では、年収600万円の社員が6カ月休職した場合のコストは422万円だそうです。


だからこそ、メンタルヘルス対策に前向きに取り組むことはこのコストの削減に繋がり、社員のモチベーションなどのシナジー効果なども考慮すると、収益を改善する一つの方法ではないか、だからこそ、企業はメンタルヘルス不調者のケアに留まらず、その発生を未然に防止し、社員を元気にするような対策が必要な時期にきている、と言われています。


では、その為にはどのような取り組みが可能か?


先日、非常に参考になる事例が雑誌に掲載されていましたのでご紹介いたします。


11年に住商情報システムとCSKが経営統合して誕生したITサービス会社SCSKのお話。


この会社、働き方改革に取り組んでメンタルヘルス不調による休職者を減少させたそうです。


しかもその間、増収増益とのこと。


働き方改革に取り組んだきっかけは、中井戸信英会長が住友商事副社長から住商情報システムの社長に就任した09年にさかのぼります。


IT業界では長時間労働や残業の多さが慢性的な課題となっています。


SCSKもそんな状況にあったようです。


仲井戸さんが社長に就任したとき、職場環境の悪さに驚かれたそうです。


1人ひとりの執務スペースは狭く、昼休みには机の上に突っ伏して昼寝をしている人が多くいます。


これではいけない、社員が働きやすい環境をつくれば生産性が高まり、最終的に企業価値の上昇につながるはずだ、という考えのもと、社長主導で、働き方改革が始められました。


まずは、10年に本社を移転。


社員食堂や社内診療所、リラクセーションルーム等を設置。


さらに、社員1人当たりの執務スペースを1.5倍に広げ、快適な空間づくりに取り組んだそうです。


そのうえで、働き方改革として残業半減運動、在宅勤務制度の拡充などさまざまな施策が実施します。


なかでも効果が大きかったのは13年4月からスタートした「スマートワーク・チャレンジ20」だそうです。


これは年間有給休暇取得日数20日の完全消化と、当時約27時間だった月間平均残業時間を20時間以下にすることを目標に掲げた取り組みで、社内ではスマチャレと呼ばれていたそうです。


このすまちゃれは管理職も対象。


全役員が出席する会議で月2回、残業時間の実績や予想、有給休暇の実績が部署別に報告されます。


この事で、売り上げや営業利益などと同等、もしくはそれ以上に経営上重要な指標というメッセージを伝えることに成功しています。


指標を見て、会議で残業の多い部署があると、社長自ら部門長に「号令だけでは解決しない。タイムマネジメントは事業マネジメントの基本中の基本。自ら現場で何が起きているのか確認し、根本的な対策を打て」と指示を出したそうです。


そして、会議での発言内容は社内のイントラネットに掲載され、全社員にトップの方針を伝えています。


また、残業を減らす為に業務の整理や効率化も行っています。


SCSKには数百~1000人を超える社員から成る事業部門が8部門あり、具体的な業務効率化の取り組みは各部門で役員層が実行主体となり進められました。


具体的には、残業半減運動を実施した際に、各部署で効果が高かった取り組み施策は『業務の見直し 負荷分散』だったため、多忙なプロジェクトへの人員投入や組織統合による業務の集約、業務のアウトソースなどを行ったそうです。


担当者いわく、これらの取り組み自体は、特に目新しいものではないのですが、権限を持つ責任者が明確で、きっちりと責任を持って自社の分を見たことが具体的な見直しに繋がったと言っています。


この点は、非常に重要なことですね。


多くの企業で、号令は良いものの、実態は何も動かないということが多い中、トップの責任がいかに重要かという事です。


このような取り組みをしていくと、当初は「残業が減ると収入も減ってしまう」という社員の声もあったそうです。


このような懸念を払しょくする為、スマチャレをスタートする際は、残業削減で浮いた残業手当はすべてインセンティブとして賞与で還元することを約束したそうです。


このような社員の思いへの配慮も大切ですね。


結果、SCSKの働き方改革は成功し、目標であった「年間有給休暇の取得日数20日、月間平均の残業時間20時間以下」は14年度に達成。


メンタルヘルス不調を理由に休職した社員は10年の52人から14年はなんと28人に減少したそうです。


これはすごい事ですね。


もちろんこのような改革の過程の中で、精神科産業医の選任やカウンセリングルームの設置といった施策も同時に行ってはいたそうですが・・・


そして、業績は増収増益を続け、社員意識調査で「今後も働き続けたいと思う」人が12年度の76%から14年度は87%にアップ。


「仕事とプライベートの調和を実現できている」人は67%から80%へと上昇し(社員意識調査より)、社員満足度も向上しました。



なんとなく、やらされている感で行うストレス対策は効果もあまり期待できませんし、楽しくはありません。

しかし、今回の事例の様に、ストレス対策を行う事は、様々なところでプラスの効果を生み、経営上非常に重要な問題であるという事を、トップが認識して真剣に取り組んでいくことが、とても大切なことであり、各企業の人事担当者は「熱い想い」をお持ちでも、いつもこの点で悩んでいるのかも知れませんね。


人が活き活きしなければ、パフォーマンスもなにもないですからね・・・

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