Faith to Face  ~オレキケ社労士の日々ウダウダ!!~

社会保険労務士として、日々奮闘中のT&Dが、日々起こる話をウダウダ語ります。

社会保険料節減スキーム対策についての通知

昨日お伝えしていた、社会保険料削減に関するお話し。


そのもととなる通知をお知らせします。


「健康保険法及び厚生年金保険法における賞与に係る 報酬の取扱いについて」の一部改正について


厚生労働省は上記通知を平成27年9月18日にけんぽ協会あてに発出しています。


適用は平成27年10月1日からとなっています。


今回はどんな内容を禁止しているのでしょうか?


私どもの業界では、言われ尽した感のあるスキームですが、少し解説してみましょう。


このスキームはもともと賞与が支払われていることが前提となります。


昔と違い、現在は賞与にも社会保険料が給与と同じ料率を掛けて算出されるようになっていますので、結構な金額になり、これが痛い。

これを削減しましょう、ということですね。


例えば、年間100万の賞与。夏と冬に50万づつの支払いがあったとします。


現時点の保険料率で計算すると、大阪の場合は介護保険料込みで健保が5万8100円、厚年が8万9140円合計14万7240円となります。


で、これが2回なので、年間29万4480円


大きいですね・・・(/_;)


これを労使で折半負担することとなりますので、1回の賞与あたりそれぞれ7万3620円づつを負担することとなります。


で、今回問題となったのは、こんなに賞与に保険料がかかるのだったら、賞与ではなく給与として支払おうというものです。


ここで少し前提を説明。


給与に関する社会保険料は、入社時や、4月~6月の給与の平均を基に、標準報酬月額なるものを決定し、これに社会保険料率をかけて算出する仕組みとなっています。


仮に給与が30万だったとして、これを基に考えると標準報酬月額は30万となります。


で、これにかかる月々の社会保険料は、上記と同じく現時点の保険料率で計算すると、大阪の場合は介護保険料込みで健保が3万4860円、厚年が5万3484円合計8万8344円となります。


単純に12をかけて大体の年額を計算すると(厳密にはこうなりませんが)、106万128円となります。


労使折半なのでそれぞれの負担額は月額4万4172円、年額53万64円ですね。


で、給与は毎月ずっと同じとは限らないので、大幅に昇給があったりした場合は、社会保険料を見直す仕組みがあります。


これを「月変」(月額変更の略)などと通称いわれています。


この「月額変更」をするためには次のような要件を満たす必要があります。

【要件1】
昇給又は降給等により固定的賃金に変動があった。

【要件2】
変動月からの3か月間に支給された報酬(残業手当等の非固定的賃金を含む)の平均月額に該当する標準報酬月額とこれまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた。

【要件3】
3か月とも支払基礎日数が17日以上である。


固定的賃金とはざっくり説明すると、毎月支払うことが決まっている基本給とか手当のこととなります。

ようは、昇給や降給等によって固定的賃金が上がったり下がったりして、その上下率が一定以上になって場合に、ちゃんと一定以上出勤していたら、その上がった分の給与に基づいた保険料に変更しますよ、という感じです。


例えば、30万の基本給が35万に昇給した場合、これが4月だとすると、3か月間の給与の動向を見て、標準報酬月額を算出すると、一定以上の標準報酬月額の上昇となるため、7月に、「月額変更」の届をすることになります。

結果、上記同様の条件で計算すると、健保4万1832円 厚年6万4180円となり合計10万6012円となります。

労使の負担は、それぞれ、5万3006円となります。


給与が上がった分保険料も上がるというわけですね。


で、今回はこの仕組みをうまく使ったスキームを提案しているわけです。


100万の賞与を分解して固定的賃金となる手当などの形で給与として支払います。


支払い方は年2回6月と12月に月額給与の手当として各49万5千円、残りの月10ヶ月には、月額給与の手当として1,000円を支給するという感じです。


こうするとどうなるのか。


まず、賞与の支払いはなくなりますので、賞与にかかっていた保険料の支払いはゼロになります。


△29万4480円


で、給与はとなると、30万の給与をベースに考えると、1月から5月までは月額給与が1000円増えるだけですので、大幅な上昇とはならず、保険料に変化はありません。


6月に月額給与が49万5千円増えるため、79万5千円に。


これは大幅な賃金上昇地なりますので、月額変更の対象となります。


で、6月79万5千、ところが7月には30万1千円にまた戻るため、3カ月の平均を算出すると、6月79万5千円、7月30万1千円8月301000円となり、3か月間の平均給与は46万5666円で、この標準報酬月額は健保5万4614円厚年8万3791円、合計13万8405円となります。この保険料が9月分の保険料から適用されることとなります。


これまでと比べると、一月5万61円のアップとなります。


ところが、7月になると、30万1千円に給与が変更されているということで、これもまた、月額変更が始まる対象要件となります。


よって、6月からの物を計算した一方で、7月からは30万1千円、8月30万1千円、9月30万1千円となり、これを平均すると30万1千円となるため、これまた一定以上の標準報酬月額の変化となり、10月分の保険料からはまたもとの社会保険料に戻ることとなるのです。


と、いうことで、大幅に保険料が上がるのは実質1月だけとなるんです。 


これが年2回するということですから、上記例でいうと、実質年間の負担増は10万122円。


賞与に係る保険料が29万4480円でしたから、比較すると年間19万4358円も支払う保険料が下がることになります。


労使折半ですので、会社の負担だけを考えるとこの半分9万7179円の負担がなくなるというわけです。


こんな社員が50人いたら△485万8950円となるわけですから、何も知らない経営者がこんな提案を受けると、そりゃ心が揺らいでしまうというわけですね。


ところが、これはどう見ても実態はやはり賞与ですよね。


で、それを無理やり分けただけですので、今回の通達は、本来の法律の趣旨通り、内容を見ますよ!!ということになったわけです。


いくら分割して給与と言っても、その内容が実質賞与だったら、それは賞与として考えます、ということです。


じゃ、これまでこのスキームで年間480万をふかして、それでギリギリの経営をしていたとしたら・・・・・


今回の通知で指摘を受けた場合、新たにその原資をどこから持ってくるのでしょうね?


また、社員の方には、どのように説明をしていくのか?


いろいろ考えていくと、大変ですよね、というのは昨日のお話のとおりです。


こういう話、経営者の方の気持ちはわからんでもないんですけどね~~。


上記計算に関しては、わかりやすさも考慮してざっくりの計算ですので、細かなところでの間違いなどは許してね~~(-ω-)/

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