Faith to Face  ~オレキケ社労士の日々ウダウダ!!~

社会保険労務士として、日々奮闘中のT&Dが、日々起こる話をウダウダ語ります。

改正労働者派遣法のQ&A

昨年(2015年)9月30日に施行された、改正労働者派遣法。

改正法成立から施行までの期間が短く、対応に苦慮した人も多いと想像されるこの改正ですが、先日、業務取扱要領が更新され、また、Q&Aが公開されています。


質問は、4つの区分、14から構成されています。


■期間制限関係
Q1
小規模事業所のため、課やグループといった明確な組織が存在しない場合であって、事業所の長の下に複数の担当がおり、当該担当それぞれが課やグループに準じた組織機能(会計担当、渉外担当等)を有している場合、当該担当を組織単位として認めることは可能か。

A1
当該担当が業務の配分や労務管理上の指揮監督権限を有していれば、小規模事業所において、組織単位と当該担当(組織の最小単位)が一致する場合もある(派遣先の講ずべき措置に関する指針第2の14(2))。


Q2
事業所単位の期間制限を延長するため、過半数労働組合等に意見聴取する場合、抵触日の1か月前の日までに行うこととしているが、いつから実施できるのか。

A2
意見聴取は、意見聴取期間(労働者派遣の役務の提供が開始された日から事業所単位の抵触日の1か月前まで)内であればいつでも可能であるが、事業所単位の期間制限が常用代替防止を図る趣旨であることを踏まえれば、労働者派遣の役務の提供の受入開始に接近した時点よりも、常用代替防止が生じているかを判断するために適切な時期に行われることが望ましい。

Q3
期間制限の延長手続について、延長した期間の始期が到来する前に、更に次の期間制限の延長手続を行うことは可能か。
<例>平成27年10月1日~平成30年9月30日が当初の派遣可能期間であった場合で、派遣可能期間を平成30年10月1日~平成33年9月30日に延長するために、平成29年4月に意見聴取した後、更に、平成33年10月1日~平成36年9月30日に延長するために、平成30年4月に意見聴取を行う場合。

A3
労働者派遣法第40条の2第3項により、「意見聴取期間」は、労働者派遣の役務の提供が開始された日(延長した場合は延長前の派遣可能期間が経過した日)から、抵触日の1か月前までの間となっているため、延長した期間の始期が到来する前に、次の期間制限の延長を行うことはできない。


■雇用安定措置関係
Q4
雇用安定措置は施行日(平成27年9月30日)より前に締結された労働者派遣契約に基づき派遣される派遣労働者に対しても適用されるのか。

A4
施行日より前に締結された労働者派遣契約に基づき就業している派遣労働者については、労働者派遣法第30条第1項の努力義務の対象にはなり得る。具体的には、労働者派遣法施行規則第25条第3項及び4項の規定により、改正法施行前から派遣元事業主と通算して1年以上の労働契約を締結していた派遣労働者及び派遣労働者として雇用しようとする者(登録中の者を含む)については、施行日より前に締結された労働者派遣契約に基づき就業している場合であっても、雇用安定措置の努力義務の対象となる。
一方、施行日より前に締結された労働者派遣契約に基づき就業している間は、雇用安定措置が義務となることはない。

Q5
雇用安定措置のうち、派遣元での無期雇用転換について、派遣元が就業規則等により、一律に試験を課し、試験合格者のみを無期雇用労働者として雇用するということを定めていた場合、当該試験の不合格者に対して雇用安定措置を講じたといえるのか。

A5
試験の合格者のみを無期雇用労働者として雇用することは妨げられない。
試験に合格し、無期雇用労働者とした者については雇用安定措置を講じたことになるが、結果として不合格になった者については、試験の水準如何に関わらず雇用安定措置を講じたとはいえず、別の措置を講ずる必要がある。


■キャリアアップ措置関係
Q6
教育訓練は、OFF-JTのみならず、OJTのうち計画的に行うものを含めていても差し支えないとされているが、派遣先でのOJTについてはどの程度まで計画的な教育訓練と判断してよいのか。

A6
派遣元事業主は、実施を予定する教育訓練計画についてキャリアアップに資する内容であることを説明できなければならない。このため、OJTを教育訓練計画に記載するとともに、計画的に行うものであることを説明できる場合においては、当該OJTの時間数を計画的な教育訓練と取り扱って差し支えない。
なお、派遣先に協力を求める場合は、労働者派遣契約等において具体的な時間数や必要とする知識の付与や訓練等について記載しておくことが必要である。


Q7
キャリアアップ措置は施行日(平成27年9月30日)より前に締結された労働者派遣契約に基づき派遣される派遣労働者に対しても適用されるのか。

A7
キャリアアップ措置は、派遣元事業主と労働契約を締結しているすべての派遣労働者に適用され、労働者派遣契約が施行日前に締結されたか施行日後に締結されたかで差はない。


Q8
キャリアアップ措置の対象である入職時の訓練は、必ず労働契約を締結し、かつ、労働者派遣の開始前に実施しなければならないのか。


A8
キャリアアップ措置については、入職時の訓練が含まれること、有給かつ無償で実施することと等を定めていることから、入職時の訓練は、労働契約を締結して実施する必要はあるが、労働者派遣の開始前に実施することまでは求めていない。
なお、入職時の訓練という趣旨を踏まえると、労働者派遣の開始前や開始直後に行うことが適当である。
 おって、キャリアアップ措置はすべての派遣労働者を対象としており、日雇派遣労働者についても実施することが必要である。


Q9
キャリアアップ措置について、労働者派遣事業関係業務取扱要領において、「派遣労働者一人あたり、少なくとも最初の3年間は毎年1回以上の機会の提供が必要」とあるが、「最初」とは、雇用開始時点か。それとも改正法が施行された年(平成27年)のことか。


A9
雇用開始時点である。


Q10
安全衛生法に基づく安全衛生教育はキャリアアップ措置として認められるのか。


A10
安全衛生法に基づく安全衛生教育については、キャリアアップ措置としては認められず、キャリアアップ措置の実施実績時間にも算入しない。

Q11
キャリアアップ措置について、通信教育やeラーニング等の正確な時間管理ができない場合の取扱いはどうすればよいか。


A11
キャリアアップ措置は有給かつ無償で行うことが必要であることから、派遣元事業主は時間を管理する必要がある。 通信教育やeラーニング等により教育訓練を実施する場合は、電子機器のアクセス時間等により訓練時間を管理する方法のほか、これら教育訓練に要する標準的な所要時間をもって実施時間とすることとしても差し支えない。


■その他
Q12
労働者派遣法施行規則第22条第4号の紛争防止措置について、職業紹介事業の許可を取得していない場合等においても、労働者派遣事業関係業務取扱要領の記載例のように手数料を設定し、金額を明記する必要があるのか。また、派遣労働者に対する就業条件等の明示の際に、労働者派遣契約に記載した紛争防止措置の内容は、手数料の金額も含めてすべて明示する必要があるのか。


A12
労働者派遣法施行規則第22条第4号の規定や労働者派遣事業関係業務要領の記載はあくまで例であり、職業紹介事業の許可を得ていない場合にも同じ内容の定めを置くことを義務付けているわけではない。また、職業紹介事業の許可を得ている場合で、紹介手数料のことを定める場合については、可能な限り記載例のように詳細に記載することが望ましいが、紹介手数料の額までを記載することまでは要しない(紹介手数料については別途定めるといった記載でも差し支えない。)。
派遣労働者に対する就業条件等の明示の際には、紛争防止措置についても明示が必要であるが、労働者派遣事業関係業務取扱要領の記載はこれもあくまで例であり、紛争防止措置を簡潔に示すことでも差し支えない。


Q13
労働者派遣法施行規則第22条第4号の紛争防止措置について、派遣元事業主が職業紹介事業の許可を取得していない場合や、職業紹介事業の許可を得ていても紹介予定派遣を行う予定がない場合、どのような内容を記載することが考えられるか。


A13
労働者派遣法施行則第22条、「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の2(2)ロ及び「派遣先が講ずるべき措置に関する指針」第2の6(1)ロにおいて、派遣先が労働者派遣の終了後に当該派遣労働者を雇用する場合は、事前に派遣元事業主にその意思を示すことを例示しているところであるので、参照されたい。


Q14
派遣先に雇用される通常の労働者の募集に係る事項の周知義務(労働者派遣法第40条の5第1項)について、派遣労働者が就業する事業所では正社員募集を行わず、本社で一括して正社員募集をする場合においても、当該事業所の派遣労働者へ周知しなければならないのか。


A14
本社で一括して募集するなど他の事業所で募集する場合であっても、派遣労働者が就業する事業所や場所で勤務する可能性があるのであれば、派遣労働者が応募資格を満たさないものを除き、周知する必要がある。

平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関するQ&A

派遣法改正


労働者派遣事業関係業務取扱要領 平成28年1月28日版

労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成28年1月28日以降)ページ

労働者派遣事業関係業務取扱要領・様式・各種報告書

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