これによると平成22年度の収支決算(簿価ベース)は、
厚生年金で[歳入]40兆4,056億円、[歳出]40兆1,151億円、[差引]2,905億円
(※厚生年金の歳入に含まれている、予算上予定していた積立金からの繰入額 6兆3 ,431億円を除くと、実質6兆0,526億円の歳出超過となる。)
国民年金で[歳入]4兆7,050億円、[歳出]4兆4,658億円、[差引]2,392億円
(※国民年金の歳入には、積立金からの繰入額は含まれておらず、上記歳入超 過分2,392億円は積立金に繰入れた。)
となっています。
決算結了後の積立金残高


厚生年金では保険料率の引き上げの影響等により保険料収入が増加していますが、年金制度の信頼の回復にはほど遠い状態にあると感じます。
9月からは厚生年金保険料率も引上げられ、年金保険料の負担がまた、大きくなります。
現在の、数字上の赤字を埋めるために負担を増やし、現役世代の方の実質収入や生活を無視した制度の在り方は、すでに限界にきているような気がします。
経済の状況等を考えても、国民の制度への信頼回復のためにも、これまでの年金制度を一度ゼロにして、
「年金の意味」「その位置づけ」「分配方法」
等、根本的な部分から再度見直したうえで、立て直すぐらいの大きな取り組みが早急に必要かと思われます。
厚生年金・国民年金の平成22年度収支決算の概要の詳細はこちら
このような背景を考慮してか、日本年金機構の迷いつつある様々な対策や改善の一つとして、先日、「公的年金制度の解説」となるリーフレットのダウンロードが開始されています。
年金制度の説明を受ける機会が少ない人にとっても分かりやすいように公的年金制度の必要性からその仕組み、受けられる給付までがコンパクトに6ページにまとめられていますので、年金制度を知らない、学生の方たちに説明する資料としては最適かもしれません。
「公的年金制度」の解説
しかし、このような制度の押し付け的周知ではなく、納得と妥当性の議論が先のような気がするのですが・・・
と、このようなことを考えていると、次のような記事がありました。
国民年金の未納率最悪 納めた方が得する制度に(福井新聞)
まさに今、年金については、実態を直視した改革が問われているのです。国民あっての法律・制度であることを理解したうえで新たな制度設計の議論が必要となります。
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