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経済対策を踏まえた仕事と育児の両立支援について

厚生労働省の労働政策審議会(会長 樋口 美雄 慶應義塾大学商学部教授)が、塩崎 恭久 厚生労働大臣に対し、経済対策を踏まえた仕事と育児の両立支援について建議を行い、これを公表しています。


これは、平成28年8月2日に閣議決定した「未来への投資を実現する経済対策」において、雇用の継続に特に必要と認められる場合の育児休業期間の延長等を含めた両立支援策について議論するとされたことを踏まえ、今年9月から、同審議会の雇用均等分科会(分科会長 田島 優子 弁護士)で検討を行った結果に基づくものです。


厚生労働省では、この建議の内容を踏まえて要綱案を作成し、平成29年通常国会への法案提出を目指して、労働政策審議会に諮問する予定となっています。


その内容は下記の通り。


【Ⅰ はじめに】
一人ひとりが望む生活を送るためには、仕事と家庭が両立できる社会の実現が不可欠である。妊娠・出産・育児期や家族の介護が必要な時期に、離職することなく働き続けることのできる社会を構築することが重要との考えのもと、本年3月に改正育児・介護休業法が成立し、来年1月1日の施行に向け、労使ともに準備に全力をあげているところである。


このような状況の中で、「未来への投資を実現する経済対策」(平成 28 年8月2日閣議決定)を踏まえ、「雇用の継続に特に必要と認められる場合の育児休業期間の延長等を含めた両立支援策」について議論することとなった。


本来であれば、来年1月1日の改正法の施行後その施行状況を踏まえて継続就業のための柔軟な働き方など仕事と育児の両立支援のあり方について議論したいところであるが、上記経済対策を踏まえ、限定された事項について議論することとし、労働政策審議会雇用均等分科会では、本年9月以降5回にわたって議論を行った。


今回の議論に当たって、前提として念頭に置いておくべき事項が2点ある。


一つ目は、約8割の市区町村において待機児童がゼロであるものの、都市部を中心に待機児童が多く見られることが背景となっており、国として、育児休業を取得した労働者が安心して職場復帰できるよう、保育所等の整備を一層進めることが必要ということである。


4月に限らず育児休業から復帰を希望する時期に子どもを預けられる環境の整備及び保育の質の確保があわせて望まれる。


二つ目は、安倍政権の最重要課題の一つが「女性が輝く社会」の実現であり、女性活躍推進法が施行されている中で、多くの企業が女性活躍に向けて取り組んでいることである。


女性労働者も、できるだけ早く職場復帰して様々な両立支援制度を上手く使いながらキャリアを積むようになり、企業の側もそれを支援している。


このような状況の下、当分科会では、保育所等に入所できず離職せざるを得ない労働者(主として女性労働者)も少ない割合であるが一定数存在することを踏まえ、緊急的なセーフティネットの一つとして、継続就業に資するような策にする必要があることから、必要な措置の具体的内容は、Ⅱの事項とすることが適当である旨とりまとめを行ったので、報告する。この報告を受けて、厚生労働省において、法的整備も含め所要の措置を講ずることが適当であると考える。


【Ⅱ 必要な措置の具体的内容】
(1 雇用の継続に特に必要と認められる場合の育児休業期間の延長について)
現行育児・介護休業法では育児休業は原則1歳まで、保育所に入れない等の場合は1歳6ヶ月まで認められているものである。1歳6ヶ月に達する後の延長についても、現行規定を踏まえ、「雇用の継続に特に必要と認められる場合」、すなわち「保育所に入れない等の場合」(育児・介護休業法施行規則第4条の2,平成 29 年1月1日以降は同第6条参照)に限定すべきである。


また、1歳6ヶ月に達した後の更なる延長については、緊急的なセーフティネットとしての措置であることが明確になるようにすべきである。


なお、特に1歳6ヶ月以降の延長については必要性を見極めることが望ましい。


上記のとおり、保育所に入れない等の場合に1歳6ヶ月まで延長できることとした平成 16 年改正時の議論を踏まえ、今回は、希望する時期より入所が遅れた場合の待機期間のデータ等を参考に、延長の期間としては、最長2歳までと考えられる。


これは、育児・介護休業法において、育児休業が原則として子どもの年齢を基準に構成されていることを踏まえたものである。


この制度は、継続就業のために本当に必要な期間として利用されることが望ましい。


なお、本延長制度はあくまで緊急的なセーフティネットであり、労働者本人の希望の時期に職場復帰できるよう、保育所等に係る時宜を得た情報提供がなされることが重要である。


また、保育の提供が切れ目なく行われることは、職場復帰を希望する育児休業取得者の不安を軽減するために不可欠であり、地方自治体は、国と連携して、保育ニーズに応じて保育所等の整備を進めつつ、その状況の的確な把握に努めるとともに、保育コンシェルジュの配置を進め、保育の利用を希望する労働者のニーズに応じたきめ細かな保育の選択肢を提供すべきである。


(2 能力・モチベーション維持のための対策)
労働者自身のキャリアを考えると早い職場復帰が望ましい。


このため、国は、産前産後休業・育児休業に入る前の労働者に直接両立支援についての情報提供を積極的に行うべきである。


本来育児休業期間中は育児に専念する期間ではあるが、労働者は会社を離れていることの不安や焦りもあると考えられるので、企業では、従業員のニーズに応じて様々な手法で労働者のモチベーション維持や復帰のための仕組みを工夫しているところもある。


国は、特に、①有期契約労働者等のいわゆる非正規雇用労働者や中小企業で働く労働者及び②やむを得ず育児休業期間を延長することになり焦りや不安を感じることが多いであろう労働者を念頭に置いて、本人のニーズに応じて育児休業中や復帰時に活用できる能力開発プログラムの開発や調査研究を行うべきである。


また、国は、既存の制度の活用など必要な情報を発信すべきである。


なお、1で述べたように、利用希望者にとって保育所の情報が適宜十分に得られることは、労働者の復帰に向けたモチベーション維持にも有効であると考える。


(3 男性の育児休業取得を促進する方策)
男性の育児休業取得率が低い現状を踏まえ、育児休業にかかわらず男性が休んで育児をすることを促進していくことが必要である。


企業において、就学前までの子供を有する労働者が育児にも使える休暇を設け、労働者、特に男性労働者による育児を促していくことが考えられる。


労働者が育児休業を取得しやすいように、事業主は労働者又はその配偶者が妊娠又は出産したことを言い出しやすい雰囲気作りに努め、対象者には企業が周知することが望ましい。


また、パパママ育休プラスの利用率が非常に低い現状を踏まえ、国は、パパママ育休プラスの周知について徹底すべきである。その上で更に使いにくいという状況であれば、その要因を分析し対策を考えるべきである。


(4 効果検証)
今回講じた策の効果については施行2年後を目途に調査した上で分析し、女性活躍の進捗との関係や男性の育児に関わる制度の利用状況等も検証し、必要に応じて見直すことが望ましい。


【Ⅲ その他】

今回の議論の過程では、1歳6ヶ月以降の延長分の一部をこれまで育児休業を取得していなかった方の親(多くの場合、男性労働者)とすべきとの意見も出た一方、育児休業は希望すれば取得できる労働者の権利であるにもかかわらず、もう一方の性にいわば強制的に取らせるような形となってしまうのはいかがなものかという意見もあった。
また、男性の育児休業取得を促進するメッセージを発することも必要ではないかとの発言もあった。


国は、介護休業の分割取得、有期契約労働者の育児休業取得要件の緩和、上司・同僚からの職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの防止措置の事業主に対する義務づけなどを主な内容とする来年1月1日施行の改正法の着実な施行に努めるべきである。

上記施行により、有期契約労働者は育児休業を取得しやすく、育児休業等に関するハラスメントを受け取得を断念していた男性労働者も育児休業を取得しやすくなると考えられる。

当分科会としては、改正法の1月1日施行により、労働者の仕事と家庭の両立の状況が大きく前進することを期待している。


経済対策を踏まえた仕事と育児の両立支援について(建議)

(参考資料1)労働政策審議会雇用均等分科会における検討状況

(参考資料2)雇用均等分科会委員名簿

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