Faith to Face  ~オレキケ社労士の日々ウダウダ!!~

社会保険労務士として、日々奮闘中のT&Dが、日々起こる話をウダウダ語ります。

厳しくなる行政指導

昨日20日、厚生労働省は「違法な長時間労働や過労死等が複数の事業場で認められた企業の経営トップに対する都道府県労働局長等による指導の実施及び企業名の公表について」という通達を発出しています。


これは、平成28年12月26日に開催された第4回長時間労働削減推進本部において、「過労死等ゼロ」緊急対策が決定され、新たに実施する取組として、違法な長時間労働等を複数の事業場で行うなどの企業に対する全社的な是正指導や、平成27年5月から実施している是正指導段階での企業名公表制度の強化などが実施されることとなったことに伴うものです。


これにより、平成27年5月18日付け基発0518第1号「違法な長時間労働を繰り返し行う企業の経営トップに対する都道府県労働局長による是正指導の実施及び企業名の公表について」(以下「旧通達」という。)は廃止されることとなります。


取組の概要は次の通りです。

都道府県労働局長(以下「局長」という。)又は労働基準監督署長(以下「署長」という。)より以下の指導を行うことにより、複数の事業場を有する社会的に影響力の大きい企業において、経営トップが当該企業の違法な長時間労働などの問題点を十分理解した上で、自ら率先して、全社的な早期是正に向けた取組を行い、当該企業全体の法定労働条件の確保・改善を図ろうとしています。

⑴ 署長による企業の経営幹部に対する指導
違法な長時間労働や過労死等(過労死等防止対策推進法(平成26年法律第100号)第2条に定義された「過労死等」をいう。以下同じ。)が複数の事業場で認められた企業の経営幹部に対して、本社を管轄する署長から、早期に全社的な是正・改善を図るよう指導を行うとともに、指導に対する是正・改善状況を全社的な監督指導により確認すること。

⑵ 局長による企業の経営トップに対する指導及び企業名の公表
上記⑴の監督指導において再度違法な長時間労働等が認められた企業、又は、違法な長時間労働を原因とした過労死(過労死等のうち死亡又は自殺未遂をいう。以下同じ。)を複数の事業場で発生させた等の企業の経営トップに対して、本社を管轄する局長から、早期に全社的な是正を図るよう指導を行うとともに、指導を行った事実を企業名とともに公表すること。

なお、当該公表は、その事実を広く社会に情報提供することにより、他の企業における遵法意識を啓発し、法令違反の防止の徹底や自主的な改善を促進させ、もって、同種事案の防止を図るという公益性を確保することを目的とし、対象とする企業に対する制裁として行うものではないこと。


上記にある「署長による企業の経営幹部に対する指導」は具体的には次のような内容で行われます。

⑴ 対象とする企業
複数の事業場を有する社会的に影響力の大きい企業(中小企業に該当しない企業をいう。以下同じ。)であって、概ね1年程度の期間に2箇所以上の事業場で、下記アないしウのいずれかに該当する実態が認められる(本社で2回認められる場合も含む。)こと。ただし、下記3⑴の対象となる企業は除くこと。


監督指導において、1事業場で10人以上又は当該事業場の4分の1以上の労働者について、


1か月当たり80時間を超える時間外・休日労働が認められること、

かつ、


労働基準法第32・40条(労働時間)、35条(休日労働)又は37条(割増賃金)の違反(以下「労働時間関係違反」という。)であるとして是正勧告を受けていること。


監督指導において、過労死等に係る労災保険給付の支給決定事案(以下「労災支給決定事案」という。)の被災労働者について、


1か月当たり80時間を超える時間外・休日労働が認められ、

かつ、


労働時間関係違反の是正勧告又は労働時間に関する指導を受けていること。

ウ 上記ア又はイと同程度に重大・悪質である労働時間関係違反等が認められること。

⑵ 本社管轄の署長による指導
対象となる企業の経営幹部を本社管轄の労働基準監督署へ呼び出した上で、署長より長時間労働の是正、健康管理、メンタルヘルス対策(パワーハラスメント防止対策を含む。以下同じ。)等について、全社的な早期是正・改善に向けた取組の実施を求める指導書を交付することにより指導すること。
この指導に当たっては、長時間労働の是正だけでなく、健康管理、メンタルヘルス対策等も含めた幅広い総合的な対策が必要であることについて十分に説明すること。

⑶ 全社的監督指導
上記⑵の指導実施後、本社及び支社等に対し監督指導を実施し、指導事項についての是正・改善状況を確認すること。なお、支社等とは、主要な支社店等であって、企業規模及び事案の悪質性等を勘案し、全社的な是正・改善状況を確認するために必要な範囲で決定するものであること


また、「局長による企業の経営トップに対する指導及び企業名の公表」は次のような場合に行われます。

⑴ 対象とする企業
複数の事業場を有する社会的に影響力の大きい企業であって、以下のア又はイのいずれかに該当する企業であること。


上記所長による企業の経営幹部への指導で示している⑶の監督指導等において、上記2⑴ア又はイの実態(ただし、上記2⑴
イにあっては、労働時間関係違反の是正勧告を受けている場合に限る。)が認められること。


概ね1年程度の期間に2箇所以上の事業場で、下記(ア)又は(イ)のいずれかに該当する実態が認められ(本社で2回認められる場合も含む。)、そのうち、下記(イ)の実態が1箇所以上の事業場で認められること。

(ア)
監督指導において、1事業場で10人以上又は当該事業場の4分の1以上の労働者について、
①1か月当たり100時間を超える時間外・休日労働が認められること、

かつ、

②労働時間関係違反であるとして是正勧告を受けていること。

(イ)
監督指導において、過労死に係る労災支給決定事案の被災労働者について、

①1か月当たり80時間を超える時間外・休日労働が認められ、

かつ、

②労働時間関係違反の是正勧告を受けていること。

⑵ 本社管轄の局長による指導
対象となる企業の代表取締役等の経営トップを本社管轄の労働局へ呼び出した上で、局長より早期に法違反の是正に向けた全社的な取組を実施することを求める指導書を交付することにより指導すること。

⑶ 企業名の公表
上記⑵の指導を実施した際に、以下について公表すること。

ア 企業名
イ 長時間労働を伴う労働時間関係違反の実態
ウ 局長から指導書を交付したこと
エ 当該企業の早期是正に向けた取組方針

労基署とお話しましょ

このところ、電通への立ち入りや三菱電機の書類送検など、長時間労働への厳しい指導が目立ちますが、今回の通達により、この流れは一層加速することとなると考えられます。


このような流れは「長時間労働はダメなんだ」という働く人の意識を変えるためにはある程度有効かと思います。


実際、電通の事件以降、大手企業の社員の方のお話をすると、これまでの甘えが許されない状況にある事をひしひしと感じる旨のお話をよく聞きます。


ただ、一方で、これまでも、ダラダラ働いていて長時間になっていたわけではなく、精いっぱい仕事をしていて、個人の成長や顧客へのより良いサービスのために長時間労働があるわけで、時間を短くといっても具体的にすべきことがある中で一杯どうすればよいのだ!!、というような声も聴きます。


そんな状況ですので、まずは大手企業から厳しい時間管理が求められるわけですが、時短に向けて、スローガンだけでなく、具体的な働き方改革を促す一方、そのしわ寄せが、下請け企業に回らないように、全体的な状況を俯瞰しながら、現実的かつ論理的な指導が行われることを、期待するばかりです。


違法な長時間労働や過労死等が複数の事業場で認められた企業の経 営トップに対する都道府県労働局長等による指導の実施及び企業名 の公表について

「過労死等ゼロ」緊急対策

長時間労働削減推進本部概要資料

労使団体への要請

残業規制の行方PageTop「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」

コメント

コメントの投稿

 管理人だけに表示する

トラックバック

http://facetofaithsrtd.blog76.fc2.com/tb.php/2113-5e2e6ce9

プロフィール

労務管理は社会保険労務士事務所・オフィスT&D Faith(フェイス)経営労務事務所

オフィスT&D

Author:オフィスT&D
オフィスT&D Faith(フェイス)経営労務事務所は、大阪市北区に事務所を構える社会保険労務士事務所です。最適な人事労務管理など、様々なご要望にお応えいたします。どうぞお気軽にご相談ください。

カレンダー

03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

カテゴリ

最新記事

リンク

このブログをリンクに追加する

J-NET21

オレキケブログへようこそ!!

RSSリンクの表示