Faith to Face  ~オレキケ社労士の日々ウダウダ!!~

社会保険労務士として、日々奮闘中のT&Dが、日々起こる話をウダウダ語ります。

パワハラ防止の義務化

2019年10月28日、労働政策審議会雇用環境・均等分科会が開催され、パワーハラスメント防止対策の法制化を中心とした改正労働施策総合推進法の施行日が、事実上決定しています。

改正法の施行期日は大企業が2020年6月1日、中小企業が2022年4月1日とのことです。

この改正で、パワハラの予防措置が義務化されるわけですが、その詳細を定める指針案が先週、労働政策審議会で承認されています。

予防措置は基本的には従来から存在したセクハラやマタハラの防止措置に準じる内容となっています。

会社としてハラスメントは許さないという方針を明確化し、就業規則に規定した上で周知を行い、相談窓口を設置するといったことが求められるという感じです。

よって、すでにセクハラ、マタハラの予防措置を採っている場合は、その対象にパワハラを追加すればよいということになります。

今回の指針では、パワハラと定義を

「職場におけるパワーハラスメントは、職場において行われる

(1)優越的な関係を背景とした言動であって

(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより

(3)労働者の就業環境が害されるものであり

(1)から(3)までの要素を全て満たすものをいう。

なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない。

と明確に定義しています。

また、指導とパワハラの線引きを明確にするために、6つの行為類型毎に「該当すると考えられる例」と「該当しないと考えられる例」も定められています。

イ 身体的な攻撃(暴行・傷害)
(イ)該当すると考えられる例
  ① 殴打、足蹴りを行うこと。
  ② 相手に物を投げつけること。

(ロ)該当しないと考えられる例
  ① 誤ってぶつかること。

ロ 精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
(イ)該当すると考えられる例
  ① 人格を否定するような言動を行うこと。
     (相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動を行うことを含む。)
  ② 業務の遂行に関する必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行うこと。
  ③ 他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責を繰り返し行うこと。
  ④ 相手の能力を否定し、罵倒するような内容の電子メール等を当該相手を含む複数の労働者宛てに送信すること。

(ロ)該当しないと考えられる例
  ① 遅刻など社会的ルールを欠いた言動が見られ、再三注意してもそれが改善されない労働者に対して一定程度強く注意をすること。
② その企業の業務の内容や性質等に照らして重大な問題行動を行った労働者に対して、一定程度強く注意をすること。

ハ 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
(イ)該当すると考えられる例
  ① 自身の意に沿わない労働者に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりすること。
  ② 一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させること。

(ロ)該当しないと考えられる例
  ① 新規に採用した労働者を育成するために短期間集中的に別室で研修等の教育を実施すること。
  ② 懲戒規定に基づき処分を受けた労働者に対し、通常の業務に復帰させるために、その前に、一時的に別室で必要な研修を受けさせること。

ニ 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)
(イ)該当すると考えられる例
  ① 長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずること。
  ② 新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責すること。
  ③ 労働者に業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせること。

(ロ)該当しないと考えられる例
  ① 労働者を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せること。
  ② 業務の繁忙期に、業務上の必要性から、当該業務の担当者に通常時よりも一定程度多い業務の処理を任せること。

ホ 過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
(イ)該当すると考えられる例
  ① 管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせること。
  ② 気にいらない労働者に対して嫌がらせのために仕事を与えないこと。
(ロ)該当しないと考えられる例
  ① 労働者の能力に応じて、一定程度業務内容や業務量を軽減すること。

ヘ 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
(イ)該当すると考えられる例
  ① 労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりすること。
  ② 労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露すること。

(ロ)該当しないと考えられる例
  ① 労働者への配慮を目的として、労働者の家族の状況等についてヒアリングを行うこと。
  ② 労働者の了解を得て、当該労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、必要な範囲で人事労務部門の担当者に伝達し、配慮を促すこと。

また今回「事業主が自らの雇用する労働者以外の者に対する言動に関し行うことが望ましい取組の内容」という項も設けられています。

ここには、

(1)他の事業主が雇用する労働者及び求職者

(2)個人事業主

(3)インターンシップを行っている者

が含まれるようです。

まぁ、当たり前と言えば当たり前のような気がするのですが、このようなことを定めなくてはいけないほど、今の人間関係はギスギスした部分があるのかもしれません。

この指針については、2020年1月上旬に告示されると考えられています。

本当は法律ではなくて、倫理や心の在り方でこのようなことがないようにするのが「在り方」だと思いますが、多様な価値観の中でルールを明確にしなくてはいけない時代ということで、やむを得ないのかもしれませんね。

事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に 関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(案)について【概要】修正案

健康保険 被扶養者の要件変更PageTop人手不足の転換期が始まりつつあります。

コメント

コメントの投稿

 管理人だけに表示する

トラックバック

http://facetofaithsrtd.blog76.fc2.com/tb.php/2296-facee4c3

プロフィール

労務管理は社会保険労務士事務所・オフィスT&D Faith(フェイス)経営労務事務所

オフィスT&D

Author:オフィスT&D
オフィスT&D Faith(フェイス)経営労務事務所は、大阪市北区に事務所を構える社会保険労務士事務所です。最適な人事労務管理など、様々なご要望にお応えいたします。どうぞお気軽にご相談ください。

カレンダー

11 | 2019/12 | 01
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

カテゴリ

最新記事

リンク

このブログをリンクに追加する

オレキケブログへようこそ!!

RSSリンクの表示

頭の体操