Faith to Face  ~オレキケ社労士の日々ウダウダ!!~

社会保険労務士として、日々奮闘中のT&Dが、日々起こる話をウダウダ語ります。

<<前のページ | ホーム | 次のページ>>

定年を延長した場合に一部の従業員に対してその延長前の定年に達したときに支払う一時金の所得区分について

法改正により、今企業には雇用の継続を70まで引き延ばす検討が求められています。

日本の労働力人口の構成をみると「働ける人には長く働いてもらう」という選択肢は必要不可欠です。

そんな流れの中で、定年延長等を検討されるケースがありますが、これらの取組の一つの課題が「退職金」です。

年金の状況や社会情勢を鑑みると、退職金を原資に年金と合わせて「夢の老後生活」というのは夢のまた夢となりつつありますが、従業員の皆さまには重要な関心事項です。

「定年が延長されると退職金も引き延ばしに」となると、住宅ローンや人生計画に影響を与えることから、企業には様々な配慮が求められますが、そんな場合の対応について、国税庁が退職金の取り扱いに関する見解を出しています。

定年制度が変われば人々の「生き方」も変わってきます。

老後におまけを取っておくのではなく「今を楽しむ」という価値観が強くなり、刹那的な生き方をする人も出てくるかもしれませんが、企業は従業員の幸せを願ってどのような制度を作っていくのか、知恵の絞りどころとなってきます。




1 事前照会の趣旨
当社の退職金制度は、退職一時金、確定給付企業年金、確定拠出年金から構成されており、当社の退職給付規則等に定められた方法により計算し、対象者に支給しています(以下、当社から支給される退職一時金を「本件退職一時金」といいます。)。
 今般、当社は、安定的に雇用を確保しながら事業を前進させる必要があることに加え、高年齢者安定雇用の確保という社会情勢や労働組合の要望を踏まえ、労働組合との合意により労働協約書等を改定し、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に基づき満60歳に達した月の末日としていた従業員の定年を、満60歳から満65歳までの間で従業員が選択したいずれかの年齢に達した月の末日に延長することとしました(以下、労働協約書等の改定後の従業員が選択した定年年齢を「選択定年年齢」といい、改定後の定年制度を「本件定年制度」といいます。)。
 当社は、これまで、定年年齢(60歳)に達した月の翌月末までに本件退職一時金を支給してきましたが、本件定年制度においては、原則として、選択定年年齢に達した月の翌月末までに本件退職一時金を支給することとしました。しかしながら、本件定年制度の制定前に入社した従業員のうち、満60歳に達した月の翌月末までに一時金の支給を希望する従業員(以下「本件希望者」といいます。)に対しては、選択定年年齢にかかわらず、本件退職一時金の代わりに一時金(以下「本件一時金」といいます。)を支給することとしました。
 この本件一時金は、引き続き勤務する従業員に対して支給するものであり、本来の退職所得とはいえませんが、所得税基本通達30-2(5)《引き続き勤務する者に支払われる給与で退職手当等とするもの》に定める給与に該当し、退職所得として取り扱って差し支えないか照会いたします。

2 事前照会に係る取引等の事実関係
(1) 本件一時金を支給することとした経緯

  本件定年制度の導入に当たり、一部の従業員から、「満60歳を迎えたときに本件退職一時金が支給されることを前提にマイホームローンや子の教育ローンの返済を計画する等の生活設計をしており、本件定年制度が導入され、選択定年年齢を61歳から65歳までのいずれかとすると、本件退職一時金の支給が延長され、不都合が生じること」(以下「本件支給事由」といいます。)を理由として、満60歳の時に本件退職一時金の支給を受けたいとの要望を受けました。
 当社としては、本件定年制度の導入前後において、本件退職一時金の支給金額が同額であるにもかかわらず、定年延長の結果、その支給時期が延期されるという不利益が従業員に生じる中で、本件支給事由に係る不都合に対して特に配慮する必要があったことから、本件希望者に対して、満60歳の時に本件一時金を支給することとしました。

(2) 本件定年制度について

  本件定年制度において、本件退職一時金及び本件一時金は、いずれも満60歳に達した月の末日までの期間を基礎として計算され、定年を延長した期間は計算の基礎に含めません。
 また、本件希望者は、満59歳に達した月の末日までに選択定年年齢を選択し、当社が指定した期日(満60歳に達した月の末日の2、3週間前)までに本件一時金の支給希望について、本件支給事由を申請書に記載し、当社に提出します。当社は、これを受け、本件希望者に対して本件一時金を支給します。
 そして、本件一時金を支給した後、本件希望者に退職を理由とした一時金を支給することはありません。
 なお、確定給付企業年金制度について、加入者の資格喪失の時期(60歳に達した日の翌日)及び老齢給付金の支給を請求できる年齢(60歳以上)に変更はなく、また、確定拠出年金制度についても、加入者の範囲(60歳未満)、加入者の資格喪失の時期(60歳に達したとき)及び老齢給付金の支給を請求できる年齢(60歳以上)に変更はありません。

3 事実関係に対して事前照会の求める見解となることの理由
(1) 法令等について

  所得税法第30条第1項《退職所得》は、退職所得とは、退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与(以下「退職手当等」といいます。)に係る所得をいう旨規定しています。
 また、所得税基本通達30-2(5)は、引き続き勤務する役員又は使用人に対し退職手当等として一時に支払われる給与のうち、1労働協約等を改正していわゆる定年を延長した場合において、2延長前の定年(以下「旧定年」といいます。)に達した使用人に対し旧定年に達する前の勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与であり、3その支払をすることにつき相当の理由があると認められるもので、4その給与が支払われた後に支払われる退職手当等の計算上その給与の計算の基礎となった勤続期間を一切加味しない条件の下に支払われるものは、退職手当等とする旨定めています。

(2) 本件一時金の所得区分について

  上記1及び2(2)のとおり、当社は、労働組合との合意により労働協約等を改定して旧定年を延長し、本件希望者に対して旧定年である満60歳に達した月の末日までを基礎として本件一時金の計算をすることとしていますので、本件一時金は「旧定年に達する前の勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与」であると考えます(上記(1)1及び2)。
 また、当社は、本件一時金を支給した後、本件希望者に退職を理由とした一時金を支給しないことから、本件希望者に対して旧定年時までの勤続期間を加味した一時金が支給されることもありませんので、本件一時金は、いわゆる打切支給の退職手当等であると考えます(上記(1)4)。
 そして、本件一時金は、次のイないしニのことからすると、その支払をすることにつき「相当の理由がある」ものと考えます(上記(1)3)。
 したがって、本件一時金は、退職手当等に該当し、退職所得として取り扱って差し支えないものと考えます。

イ 本件一時金は、入社時から、旧定年(満60歳)を迎えたときに本件退職一時金が支給されることを前提に生活設計をしてきた本件希望者の事情を踏まえ、旧定年時において精算を行うものであること。
ロ 本件定年制度導入前後において、本件退職一時金の支給金額が同額であるにもかかわらず、その支給時期が延期されるという不利益が従業員に生じる中で、本件支給事由に係る不都合に対して雇用主として特に配慮する必要があること。
ハ 本件一時金は、本件定年制度導入前に入社した従業員のうち希望者(本件希望者)に対して支給されるものであり、その支給時期も旧定年時に限られていること。
ニ 本件定年制度導入前において、旧定年時(満60歳)に支給されていた本件退職一時金は、長期間勤務したことに対する報償及び旧定年時以後の生活保障としての性格を有するものであるところ、本件一時金もその性格を有するものであることに変わりはないと考えられること。

以上、国税庁「文書回答事例」より

不正のトライアングル

この仕事をしていると、不正事案に出会うことが少なくありません。

不正をなくしていくにはどうすればよいのか?

今日はそのヒントを。

米国の犯罪学者 ドナルド・R・クレッシー (Donald R. Cressey) が犯罪者への調査を通じて導き出した要素を、W・スティーブ・アルブレヒト (W. Steve Albrecht) 博士が図式化 (メタモデル化) した「不正のトライアングル」という理論があります。

この理論では不正行為は①「機会」②「動機 (プレッシャー/インセンティブ)」③「正当化」の3つの不正リスク (不正リスクの3要素) が揃ったときに発生すると考えられています。

逆に言うと、この3つのリスクを一つ一つ潰していけば、不正は起きにくくなるという事が言えます。

キャプチャ

① 「機会」:不正行為の実行を可能または容易にする客観的な環境はないですか?

・現金や商品がなくなっていても、チェックする機能がない。
・一人の担当者に、現金などを取り扱う権限が集中している。(その取扱いが隠蔽できる。または、誰にもわからない)
・経費申請や立替払請求に対して、適切なチェック機能が働いていない。

② 「動機 」:不正行為をしなければいけない、同期を持っている社員はいませんか?そんな社員へのフォローはできていますか?

・個人的に金銭上の問題を抱えている。(借金の返済、病気で医療費がかかる 等々)
・ノルマに対する強いプレッシャーが強い。達成できないと解雇されたり、契約を打ち切られたり、叱咤されたりする。
・プライドなどが高く、失敗や失速を表に出したくない、また、出しにくい職場風土がある。

③ 「正当化」:不正行為をするひとが、是認しやすい主観的な事情が作りやすい環境にありませんか?

・報酬や待遇、処遇に不公平感がある。
・会社や仲間ののために仕方なくやっている。暗黙の裡に会社や上司がそういう指示をしている。


適切なチェック機能、不正事項の周知徹底、困った時の相談窓口の設置等々、一人で悩まなくていい環境を制度として整備することで、この不正のトライアングルから抜け出すことができます。

労災認定基準の改正

脳疾患・心臓疾患の荷重の関係について、労災の認定については「脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準に基づき認定の可否が判断されていました。

しかし、この基準は20年ほど前のものの為、今の判例等の状況などを鑑み、新たな基準が今年の9月より発表されています。

キャプチャ 

主な変更点は次の通りです。

■長期間の過重業務の評価に当たり、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化

■長期間の過重業務、短期間の過重業務の労働時間以外の負荷要因を見直し

■短期間の過重業務、異常な出来事の業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化

■対象疾病に「重篤な心不全」を追加

重要ポイントとしては、これまでの長時間の荷重業務の判断に使われた労働時間に加えて、その基準に至らない労働時間の場合でも、基準に近い労働時間だった場合、一定の労働時間以外の負荷も考慮して、評価するという部分です。

ですので、企業はこれまでの以上に時間外労働・休日労働の管理をきっちりしていく事が求められます。

一度失っては戻ってこない、命と健康だからこそ、長い目で見て安心して働ける働き方が大切な事となります。

脳・心臓疾患の労災認定基準の改正概要

血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について

脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書

年金を繰り下げると

来年4月から年金制度が少し変わります。


その中で国として訴えたい目玉ポイントは現在、年金は65歳からの受給が基本になっていますが、本人が希望すれば「60歳から70歳」までの範囲で1カ月単位で選ぶことができる繰上げの制度の上限が来年4月から「75歳」になるというものです。


年金は1カ月受け取りを遅らせるごとに、「0.7%」ずつ加算され、早めるごとに「0.4%」(現行0.5%)ずつ減額されます


70歳開始なら42%増、75歳開始で84%増、60歳からもらうと24%の減額となります。


人の寿命はわかりませんので、繰り下げが得とか損とか言うのは難しいものですが、長寿社会を前提に85歳以上生きる前提であれば、70歳から受け取るとメリットがあるとよく言われます。


ただし、金額が増える分、税や医療保険の保険料などが上がったり、加給年金の問題があったりなどする為、慎重に検討することをお勧めします。


この、繰下げ制度、例えば70歳まで繰り下げている人が、病気や突然の資金需要で年金を受け取りたい場合、70歳の時点で5年分を一時金で受け取ることができます(ただし、加算分(42%)の権利は消滅)

年金③
年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律参考資料集(令和2年法律第40号、令和2年6月5日公布)より参照

ですので、72歳で5年分を一時金で請求した場合、65歳から67歳までの加算分(16.8%)は権利として残ることとなります。

年金④
年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律参考資料集(令和2年法律第40号、令和2年6月5日公布)より参照

ただし、遡って請求する場合は、5年の時効に留意が必要です。


例えば繰り下げの為に待機していても、80歳歳を超えて請求した場合は、時効消滅がでてきます。


年金①

年金②

年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律参考資料集(令和2年法律第40号、令和2年6月5日公布)より参照


繰下げによる加算は魅力的なものです。また、確率論で寿命をとらえると繰下げ支給は一つの選択肢となります。


ただ、ノーリスクではありません。


このような事を考えると現役時代から、年金に頼らなくても生きていける老後を見据えたプランニングをきっちりすることが、一番大切なのかもしれません。

年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました

雇用調整助成金の延長(何度目かな?)

ひさしぶりに雨がやみ

水のトンネルをくくり抜けた日の太陽は暖かいですね

何事もあたりまえでないことに気づかせてくれるそんな日々です

pyoko6_kaeru.png

さて、今日は助成金のおはなし。

新型コロナウイルスの話を聴くのもうんざりする人が増えてきていますが、緊急事態措置区域として7府県が追加され期間も延長されますね。

制限・統制が続く日ですが、そろそろ違うアプローチでの対応がないものかと願うばかりです。

こんな背景もあり、、雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の特例措置について、2021年9月末までとされている現在の助成内容を2021年11月末まで継続される予定であることを厚生労働省が発表しています。

2021年12月以降の取扱いについては、「経済財政運営と改革の基本方針2021(令和3年6月18日閣議決定)」に基づき、感染が拡大している地域・特に業況が厳しい企業に配慮しつつ、雇用情勢を見極めながら段階的に縮減していくこととし、具体的な助成内容を検討の上、2021年10月中に改めて通知されるとのことです。

なお、雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金については、年末までは、特に業況の厳しい企業への配慮を継続するとともに、助成率については原則的な措置を含めてリーマンショック時(中小企業:4/5[9/10]、大企業:2/3[3/4](※1))以上を確保する予定になっています。(※1)[ ]内は、解雇等を行わない場合。

1日も早くこの助成金を利用しなくてもよくなってほしいです。

雇用調整助成金等・休業支援金等の助成内容

10月以降の雇用調整助成金の特例措置等について

<<前のページ | ホーム | 次のページ>>

プロフィール

労務管理は社会保険労務士事務所・オフィスT&D Faith(フェイス)経営労務事務所

オフィスT&D

Author:オフィスT&D
オフィスT&D Faith(フェイス)経営労務事務所は、大阪市北区に事務所を構える社会保険労務士事務所です。最適な人事労務管理など、様々なご要望にお応えいたします。どうぞお気軽にご相談ください。

カレンダー

09 | 2022/10 | 11
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

カテゴリ

最新記事

リンク

このブログをリンクに追加する

オレキケブログへようこそ!!

RSSリンクの表示

頭の体操